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終身雇用雇用の崩壊【2025年問題】副業はその解なのか?

2025
 
世界的にも注目されている少子高齢化による人口減少ですが、それによって引き起こされる生産性の悪化は今日本が抱えている大きな問題の1つです。
 
個人においても、「働き方改革」が施行されて残業時間などが抑制される中、残業代によって生活を成り立たせていた人々が急に苦しくなるといった新たな側面も出てきているようです。
 
果たしてこの状況を社会が、個人が、打破する答えとして副業は最適なのでしょうか。改めてその背景から見てみたいと思います。
 

副業・兼業推進のための環境整備

経済産業省の産業構造審議会「2050経済社会構造部会」が4月15日に開催されました。
 
政府としては副業・兼業推進のための環境整備を進めており、今なお課題となるモデル就業規則の普及や労務管理の浸透などを見直す予定です。
2019年4月に「働き方改革」が施行され、副業を希望する人が増えていても企業側のインフラが間に合っておらず、宙ぶらりんな状態となっていることが懸念されています。
 
総務省の「就業構造基本調査」によると、日本の就業者のうち副業する人の割合は4%と、ドイツやフランスの5~7%と比較するとまだまだ低い状況ですが、これも企業側の整備や制度の普及していくことでその差は縮まると考えられています。
 
政府は今年6月にまとめる成長戦略の1つとして、副業・兼業・フリーランスなどが働きやすい環境づくりを推進するとしました。
 

2025年問題

日本経済が直面している人手不足として、2018年には15~64歳の「生産年齢人口」が7545万人と総人口の59.7%と1950年以来最低となります。
さらに、2025年には団塊の世代と呼ばれる、1947年~1949年の間に生まれた世代約800万人が75歳を超え、後期高齢者になります。
 
この時、日本の高齢化率は約30%にまで上昇し、社会保障費の確保は非常に困難になりますが、厚生労働省が報告した内容では、2025年に介護費を含む福祉その他の費用が2015年の1.24倍、医療費は1.37倍になると試算しています。
 
世界でも例がないほどのスピードで進行している人口減少と人手不足の問題。さらにもう1つ、政府が働き方改革を推進する背景には、日本人の生産性の低さに対する危機感があります。
 
経済協力開発機構(OECD)に加盟する36ヵ国中、日本の1時間あたりの労働生産性は2017年には47.5ドルと20位であり、加えて2020年にはOECDの平均労働生産性1.094に対し、日本は1.046と大きく差が開くと予想されています。
特に、宿泊や飲食業界の労働生産性は、IT分野における4分の1程度に留まっていますから、今度IT化やロボティクス、AIに代替される仕事に就いている人材は労働市場からあぶれてしまうことも懸念されているでしょう。
 
 
こうしたことから、政府が後押しする働き方改革において日本経済新聞社が東証1部上場などの大企業120社を対象に実施した調査では、「副業を認め制度化している」が19.0%、「制度はないが副業を認めている」が30.6%と
約5割が副業を認めていることが解りました。
 
一方で、新興上場企業やスタートアップを含めた152社に対して行ったアンケートでは、副業を解禁しても利用者がいない企業は6社(4%)、副業をしている社員が1~5人が12社(8%)と、実態としてはまだまだ副業に取り組めている人は少ないように感じます。
 
 

終身雇用の限界

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5月7日経団連の中西宏明会長が定例会見で「制度疲労を起こしている。終身雇用を前提にすることが限界になっている」と発言し、経営に関しては「雇用維持のために事業を残すべきではない」と語ったことが物議を醸しています。
 
また5月13日にはトヨタ自動車の豊田章男社長が、「なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べており、ここにきて「日本型雇用」の在り方が改めて問われているように思います。
 
終身雇用や年功序列といった日本の古き慣習は、今日のサービスやプロダクトの非常に速いサイクルには適しておらず、もっと人材が流動的にならなければグローバルな市場では戦っていけないでしょう。
 
特に日本の企業には「解雇規制」と呼ばれ、従業員を解雇しずらい環境にあると言えます。
労働契約法においても「労働者の保護」を優先した基調があり、「人員削減の必要性」「解雇回避の努力」「人選の合理性」「解雇手続の妥当性」を満たさなければ「整理解雇」の要件をクリアできないといった厳しい制約が設けられています。
 
ただしだからといって解雇規制を緩和したところで、特別な技能や知見を持たない労働者が市場に溢れるだけで生産性の向上には至りません。
 
こうした現実を受けて、中西会長は『今の仕事に固執せず、新しい仕事にどんどん挑戦していく人を育成しなくてはいけないし、企業はそのような仕組みを作っていかなくてはいけません』と、経済メディアNewsPicksのインタビューに答えています。
 
 

副業はその解になり得るか

終身雇用が限界を迎え、より流動的になっていく労働市場において今後企業は個人を採用する際のコストやエネルギーを抑えていくでしょうか。
 
それははっきりと予想できませんが、新卒一括採用のようなこれもまた日本独自の雇用スタイルも古く、より一人一人の能力にコミットしていく人事に流れがシフトした場合。私たちは横展開できる技能のポートフォリオを組んでいく必要はあるかもしれません。
 
「人生100年時代」をどう生きるのか、日本でも話題になった『LIFE SHIFT』の著者リンダ・グラットンが説くのは、従来の教育→仕事→引退という人生から、伸びていく寿命や変化する経済、ライフスタイルに併せて、スキル、健康、人間関係を「見えない資産」としてどう運用していくかという点についてです。
 
その1つのツールとして"副業"という選択があります。
 
すべての解ではないにせよ、本業というコアにだけ人生を傾けすぎず、マルチに展開可能なアイデンティティを複数持っておくことが、今後の社会を生き抜くヒントになるのかもしれません。
 
 

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