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企業が【副業導入】する際の労務処理って何が必要?

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働き方改革が進みだしてから副業解禁に踏み切る企業が増えています。

1つの組織にのみ籍を置くのではなく、時間や場所にも囚われずより合理的に生産性を高めたいと願うビジネスパーソンにおいては、古い体質から抜け出せずにいる自分の会社が足枷になってしまうケースも多々あることでしょう。

若い世代、とりわけZ世代やミレニアムと呼ばれるこれからの世界を作っていくサラリーマンにとっては、強い管理や統制によって自らの可能性が抑圧されてしまうことをすでに懸念し始めており、多様化を認めてもらえる場所を目指しています。

そうは言いつつも社員を雇用する企業側からすれば副業を解禁することのリスクに対して容易に構えることも難しく、就業規則や労務処理に及び腰になってしまうのも無理はありません。

副業を解禁するリスク

社員の副業を解禁することで発生しうるリスクは以下のようなものではないでしょうか。

  • 本業以外で体力を使うことによるパフォーマンスの低下
  • 自社のブランドを棄損するような活動をしないか
  • 情報漏洩などのセキュリティ上の問題

基本的には上記のように副業を許すことによって自社に与える影響を懸念したものですが、これらを担保すれば大手を奮って解禁できるといった簡単な話でもありません。

労務管理の複雑化

企業が副業や兼業を解禁することによって就業時間や給与、健康管理などの労務的な体制を整えておかなくてはいけません。

中には従業員の裁量に依存するような部分もあるため、会社として副業を許可することを決定したのであれば、従業員に許可申請してもらい、届出させることによって把握するのも良いでしょう。

また、従来の「就業規則」の他に「副業規定」を設け、社員と会社が副業に関する認知共有を円滑に進められるような環境整備が必要です。

労働時間の把握

労働基準法第 38 条では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。」と規定されています。

これはつまり本業以外の場所での労働時間を把握する必要があることを示しています。仮に、社員が自社以外の事業場において"雇用契約"を結ぶようなことがあればそれを自己申告などにより報告することを周知させておく必要があります。

 

割増賃金

基本的に複数の会社で働いた場合に適用される割増賃金の支払い義務は雇用契約を"後から結んだ"(期間的に)会社側に定められます。

かつ、労働基準法で定められている「1日8時間、週で40時間」に沿って自社の就業規則で割増賃金を定めている場合。例えば本業で8時間働いた後に飲食店でアルバイトをすると、アルバイト契約を結んだ飲食店側が自社の就業規則に従い割増賃金を支払う義務が生じます。

それが例え、本業開始前の朝に飲食店でアルバイトした場合でも、そちらが後に雇用契約を結んだのであれば支払い義務は飲食店側にあります。

 

健康管理

「健康診断」については、労働安全衛生法第66条にて実施が義務付けられていますが、所定労働時間の4分の3以下の短時間労働者であれば対象にはなりません。

さらに副業・兼業によって上記の所定労働時間を超えてしまった場合にも実施義務はないと厚生労働省が定めています。

ただし、倫理的に社員が本業以外で長時間労働することによって本業に支障が出るレベルで疲弊してしまっている際には、その社員に対し注意喚起、または禁止とすることも可能です。
これはモデル就業規則第14章において「労務提供上の支障がある場合」「会社は、これを禁止又は制限することができる。」とされています。

 

雇用保険

雇用保険は「その人が生計を維持するのに主たる賃金を受ける雇用関係についてのみ」給付の対象となるため必要ありません。
さらには雇用保険には31日以上の雇用見込み、週20時間以上の規定労働時間があるため、足りなければ当然対象になりません。

 

労災保険

労災保険は、雇用形態に関わらず全ての労働者が対象となりますが、事業所単位での適用となるため、副業先でケガなどを負った場合では本業での保障にはなりません。

また「通勤(移動)」中に関する適用範囲は下記のように定められていますが、"移動先"の会社に依存します。

  • 住居と就業の場所との間の往復
  • 就業の場所から他の就業の場所への移動
  • 住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動

つまり本業が終わって副業先に移動する際の災害は移動先の副業をしている会社の通勤災害として扱われます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

副業容認によって掛かる労務関係の処理が煩わしく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、従業員が副業をすることで得られるメリットにも注目してください。

社員の生活向上やスキルアップもさることながら、就業選択の自由に幅を持たせることによって相乗効果で本業にも良い影響を与えることがあります。

もし副業解禁を検討しているならまずは副業規則を制定し、社員とのやり取りをスムーズに行えるよう申請書や許可書を作成してあげるのがいいかもしれません。

 

 

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