便利屋(何でも屋)の副業は資格なしでできる?仕事内容と許可が必要な作業、始め方と注意点
最終更新日:2018年11月25日

家具の組み立て、買い物の代行、庭の手入れなど、身の回りの「ちょっと困った」を手伝う便利屋(何でも屋)。「特別なスキルがなくても、副業として始められそう」と興味を持つ方もいるのではないでしょうか。
便利屋は、初期費用を抑えて始めやすく、人の役に立てる仕事です。ただし、「何でも屋」といっても、何でも引き受けてよいわけではありません。不用品の回収、荷物の有償での運搬、電気工事、運転代行、身辺調査などは、許可・届出・資格が必要です。知らずに引き受けると、法律違反になるおそれがあります。
この記事では、便利屋の仕事内容と、許可や資格が必要な作業の見分け方、副業として始める方法、トラブルを防ぐための注意点を解説します。
この記事の要点
- 便利屋は、家事や作業の代行など、個人や企業の困りごとを請け負う仕事です。初期費用を抑えて、本業の後や休日に始めやすい副業です。
- 家庭の不用品の回収、軽トラックなどでの有償の運搬、電気工事、運転代行、身辺調査、ペットの預かりなどは、許可・届出・資格が必要です。
- 始め方は、スキルシェアのサービスで単発の依頼を受ける、自分で集客する、などがあります。体力と移動の時間が必要で、作業時間に比例する収入になりやすい点も知っておきましょう。
- 物を壊したときに備えた賠償責任保険、見積もりとキャンセルの取り決め、就業規則と確定申告の確認が大切です。
便利屋の仕事とは
便利屋は、個人や企業から「困っていること」の依頼を受け、作業を代行して報酬を得る仕事です。1件ごとに料金を決めて請け負うのが一般的で、雇われて時給で働く形とは異なります。依頼の内容は幅広く、たとえば次のようなものがあります。
- 家具の組み立て、電球や棚の取り付けなどの軽作業
- 庭の草むしり、窓や水回りの掃除
- 買い物の代行、荷物の受け取りの代理
- 引っ越しや模様替えの手伝い(運び出しや配置)
- パソコンやスマートフォンの設定の手伝い
- イベントの手伝い、行列への代理での並び
- 高齢の方の話し相手、ちょっとした外出の付き添い
家事代行や作業の手伝いを個人に頼みたい人と、引き受けたい人をつなぐスキルシェアのサービスも広がっており、副業として小さく始めやすくなっています。
「何でも」は引き受けられない:許可・届出・資格が必要な作業
便利屋の依頼には、法律で許可や資格が必要な作業が混ざっていることがあります。主なものは次のとおりです。
| 作業 | 必要になる主な許可・届出・資格 | ポイント |
|---|---|---|
| 家庭の不用品・ごみの回収(ゴミ屋敷の片付け、遺品整理での処分など) | 一般廃棄物収集運搬業の許可(市区町村) | 家庭から出たごみを料金をもらって運ぶには許可が必要。片付けだけ行い、処分は許可業者や自治体の回収に任せる方法もある |
| 不用品や遺品の買い取り | 古物商許可(警察署経由で公安委員会) | 中古品を買い取って売る場合に必要 |
| 軽トラックなどで荷物を有償で運ぶ | 貨物軽自動車運送事業の届出(運輸支局) | 自家用車で料金をもらって他人の荷物を運ぶのは原則不可 |
| エアコンの取り付けなどで電気工事を伴う作業 | 電気工事士の資格 | コンセントの増設や配線の工事などは資格がないとできない |
| 運転代行(お酒を飲んだ人の車を運転して送る) | 自動車運転代行業の認定(公安委員会)、第二種運転免許など | 個人が気軽に始められる仕事ではない |
| 浮気調査・身辺調査 | 探偵業の届出(公安委員会) | 調査の方法にも法律の制限がある |
| ペットを預かる・散歩させる(ペットシッター) | 第一種動物取扱業の登録(都道府県など) | 登録には、一定の実務経験や資格などの要件がある |
| 介護サービス(入浴や食事の介助など) | 介護の資格や、事業者としての指定など | 話し相手や買い物の付き添いなどとは区別する |
※必要な手続きは、作業の内容や自治体によって異なります。引き受ける前に、関係する役所や窓口で確認してください。
このほか、チケットを転売する目的で行列に並ぶ依頼や、他人をだますような依頼など、違法なことや迷惑行為に加担するおそれのある依頼は断りましょう。「自分にできること」と同時に、「法律上、自分が引き受けてよいこと」を確認するのが、便利屋を続けるうえでいちばん大切なポイントです。
副業で便利屋をするメリットと現実
メリット
- 初期費用を抑えて始められる:手持ちの道具や得意な家事から始めれば、大きな設備は必要ありません
- 得意なことを活かせる:掃除、組み立て、パソコンの設定など、普段の得意が仕事になります
- 人の役に立てる:直接「ありがとう」と言われることが多く、やりがいを感じやすい仕事です
- 時間を選んで依頼を受けられる:単発の依頼なら、本業の後や休日に合わせて受けられます
知っておきたい現実
- 収入は作業時間に比例しやすい:1件ずつ自分が動いて作業するため、時間を増やさないと収入は増えにくい仕事です
- 移動と体力が必要:依頼先までの移動時間や交通費がかかり、力仕事も多くなります。本業との両立を考えた量にしましょう
- 依頼が安定するまで時間がかかる:口コミや評価がたまるまでは、依頼が少ないことも珍しくありません
- トラブルの責任を負う:作業中に物を壊したり、けがをしたりしたときの対応も自分で行います
便利屋の副業の始め方
- 引き受ける作業を決める:自分ができること・許可がなくてもできることに絞り、「家具の組み立て」「庭の手入れ」など、メニューを決めます
- 料金と取り決めを決める:作業ごとの料金、出張費、キャンセルの扱い、追加作業の料金を決めて、事前に伝えられるようにします
- 依頼を受ける方法を選ぶ:スキルシェアのサービスに登録して単発の依頼を受ける、知人や地域の紹介から始める、自分のWebサイトやチラシで集客する、などの方法があります
- 保険に入る:作業中に依頼者の物を壊したときなどに備えて、個人事業主向けの賠償責任保険を検討しましょう。スキルシェアのサービスによっては、補償の制度がある場合もあります
- 小さく始めて評価を積む:最初は近場・短時間の依頼から始め、丁寧な対応で評価や口コミをためていきます
トラブルを防ぐための注意点
- 作業前に見積もりと内容を確認する:作業の範囲、料金、追加料金が発生する場合を、事前に文章で伝えておきましょう
- 作業前後の写真を残す:もともとあった傷などをめぐるトラブルを防げます
- 鍵や貴重品の扱いを決めておく:留守中の作業や鍵の預かりは、ルールを決めて慎重に行います
- 危険な作業は引き受けない:高所作業や重量物の運搬など、けがの危険が大きい作業は、専門の業者に任せましょう
- 個人情報を守る:依頼者の住所や家の中の様子などを、SNSなどで発信しないようにしましょう
本業がある人が確認しておきたいこと
- 勤務先のルール:便利屋は、仕事を請け負う副業にあたります。就業規則を確認し、届出や許可が必要なら手続きをしてから始めましょう(どこからが副業?ケース別の解説)
- 確定申告:会社員の場合、便利屋の所得(収入から交通費や道具代などの経費を引いた金額)が年20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要です(副業の確定申告のやり方)
- 本業との両立:移動と体力が必要な仕事なので、依頼の数は本業に支障が出ない範囲にしましょう(副業と本業を両立するコツ)
よくある質問
Q. 便利屋は資格がなくても始められますか?
A. 家具の組み立て、掃除、買い物の代行などの作業は、資格がなくても始められます。ただし、家庭の不用品の回収、軽トラックでの有償の運搬、電気工事、運転代行、身辺調査、ペットの預かりなどは、許可・届出・資格が必要です。
Q. 不用品の回収を頼まれたら、引き受けてもいいですか?
A. 家庭から出たごみを料金をもらって運ぶには、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。許可がない場合は、片付けや分別だけを引き受け、処分は自治体の回収や許可を受けた業者に任せましょう。不用品を買い取るなら古物商許可も必要です。
Q. 自分の車で荷物を運ぶ依頼を受けてもいいですか?
A. 料金をもらって他人の荷物を自家用車で運ぶことは、原則としてできません。軽トラックなどで有償の運搬をするには、貨物軽自動車運送事業の届出が必要です。
Q. 便利屋の依頼はどうやって集めればいいですか?
A. 家事代行や作業の手伝いを頼みたい人とつなぐスキルシェアのサービスに登録する、知人や地域の紹介から始める、自分のWebサイトやチラシで集客する、といった方法があります。最初は近場の小さな依頼から評価を積むのがおすすめです。
Q. 便利屋の副業はどれくらい稼げますか?
A. 依頼の内容、料金、受けられる件数によって大きく異なります。1件ずつ自分が作業する仕事なので、収入は作業時間に比例しやすく、移動の時間や交通費もかかります。本業と両立できる量を考えて始めましょう。
Q. 作業中に物を壊してしまったらどうなりますか?
A. 依頼者への賠償が必要になることがあります。個人事業主向けの賠償責任保険への加入を検討し、作業前後の写真を残すなど、トラブルを防ぐ準備をしておきましょう。
Q. 会社員が便利屋の副業をしてもいいですか?
A. 便利屋は仕事を請け負う副業にあたるため、勤務先の就業規則を確認し、届出や許可が必要なら手続きをしてから始めましょう。本業と競合しない内容か、本業に支障が出ない量かも確認してください。
Q. 便利屋の収入は確定申告が必要ですか?
A. 会社員の場合、便利屋の所得(収入から経費を引いた金額)が年20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要です。交通費や道具代などの経費の領収書は保管しておきましょう。
Q. 断ったほうがいい依頼はありますか?
A. 許可や資格が必要な作業、けがの危険が大きい作業、チケットの転売目的の行列のように違法なことにつながるおそれのある依頼、他人をだますような依頼は断りましょう。
※この記事は、執筆時点の公開情報をもとに一般的な内容を解説したものです。必要な許可・届出・資格は作業の内容や自治体によって異なるため、関係する役所や窓口でご確認ください。副業の収入は取り組む内容などによって大きく異なり、収入を保証するものではありません。
まとめ
便利屋は、初期費用を抑えて始められ、得意なことで人の役に立てる副業です。ただし、「何でも屋」といっても、不用品の回収や有償の運搬、電気工事、運転代行、身辺調査、ペットの預かりなどは、許可・届出・資格が必要です。引き受ける作業を決め、料金と取り決め、保険を準備してから、小さく始めましょう。
収入は作業時間に比例しやすく、移動や体力も必要な仕事です。本業との両立や、ほかの副業との違いも比べて選びましょう。
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