副業は本業に【好影響!?】変化する働き方に企業はどう向き合うか。

最終更新日:2019年3月1日

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事実上の副業解禁から1年以上が経過し、クラウドソーシングをはじめ、人材支援サービス、副業転職やスポットでの人材活用のマッチングサービスも増えてきました。

とはいえ企業としてはセキュリティ面への不安や長時間労働の助長につながる可能性もあることから、本業に悪影響が出ることを懸念した不安が副業容認への重しとなっているようで、未だ多くの企業が禁止している状況にあります。

 

ただ副業アカデミーの運営に関わる中で受講生の方のお話を伺うと、副業に取り組むようになってから「本業にも良い影響が出た」と仰る方が非常に多いと感じています。

雇われているだけでは気にすることのなかった経営やビジネスを自分ゴトとして捉えられるようになったり、逆に副業ではできない大きな資金を使った挑戦や人脈形成を本業によって実現できたりと、双方向で高めあうことで相乗効果で成長できていることは自信にも繋がります。

 

また、今後の日本における人手不足や賃金格差、AIが仕事を代替する未来において多様な働き方を認めることは、働き方改革の主目的である生産性の向上という点においても有効ではないでしょうか。

 

 

そんな中、総合人材サービス、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームである株式会社パーソル総合研究所が調査した内容では、副業による本業への影響として、会社へのロイヤリティや本業のパフォーマンスが「高まった」が「低下した」を上回ったとの結果が出ているようです。

 

今回は、パーソル総合研究所が公表した「副業実態・意識調査結果【個人編】」を元に個人と企業にある副業への意識についてご紹介したいと思います。

 

引用・転載:https://rc.persol-group.co.jp/news/201902120001.html

※2018年10月26日~10月30日に株式会社パーソル総合研究所が行った調査になります。

 

 

副業人口は今後も触える?

現在正社員で副業を行っている人は10.9%。過去に副業経験ありと回答した人は9.9%になります。

 

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次に、現在副業をしていない人のうち副業をしたいと考えている人は41.0%と、今後も副業人口は増えていくことが予想できる結果となっていました。

 

 

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副業を開始したタイミングを見てみると「1年以内」が41.3%ですから、厚生労働省が「モデル就業規則」から"原則副業禁止"の項目を削除し、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成した2018年1月より加速したものと思われます。

 

 

企業が副業を容認しない理由

 

年々高まる副業への意識ですが、企業側が否定的になる副業に対するリスクは主に以下のようなものでしょうか。

  • 長時間労働・過重労働を助長する
  • 情報漏洩などセキュリティのリスク
  • 労働時間の管理・把握が困難なため

 

 

さらには、日本の企業に未だ多く蔓延する思想として、雇っているのだから会社に尽くすべきだという考えや、終身雇用の名残のように本業や上司には生涯忠実でいなければいけないといった意識があるように思います。

中には副業を容認することで優秀で貴重な人材が流出してしまうのではないかと不安に思う経営者がいることも事実ですが、最近の大学生や新卒者は就職希望先が副業を禁止していることをネガティブに捉えたり、古い体質の企業を嫌う傾向にあるとも言われています。

 

このあたりの意識の乖離は簡単に拭えるものではありませんが、今日本が直面している就業環境や働き方の早い変化にはそうした意識を変えていくことが大切なように思います。

 

 

副業実施理由

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ここで、「副業に取り組む目的」を年代性別毎に見ていくと、目的別でのトップは「収入補填目的」になりますが、若い世代の20~30代男女共に「自己実現」や「スキルアップ」など収入とは別に自身の成長のための副業といった側面が強いことが解ります。

 

「本業の仕事に対する不満解消目的」も比較的多くなっていますが、雇用する側がいくら自社のために社員の管理を強固にしても、雇用される側の意識が伴わなければ人材は集まらずに本末転倒で終わってしまうのかもしれません。

 

 

副業による変化

最後に、「副業による本業への変化」を見てみると、すべての項目においてポジティブな結果となっていることが解ります。

 

 

ほとんどの項目が、「低下した」に比べて「高まった」が倍以上の変化があり、特に「本業の仕事の効率性」では3倍以上プラスの影響が見てとれます。

 

さらに「本業の仕事のやり方の変化」では、「既存のやり方にこだわらず、よいと思ったやり方で仕事をするようになった。」「自分の仕事のやり方や経験を定期的に振り返るようになった。」「仕事の中で、常に改善できることが無いかを探すようになった」といった自主的な行動に改善が見られ、よりイノベーティブな視点に強い変化が起こっているように思います。

 

 

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ただし「副業で生じたデメリット」を見てみると、中には「体調を崩してしまった」や「本業に不利益/情報を持ち出してしまった」等、悪影響が出ていることも見逃すわけにはいきません。

 

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このことからも、近年急激に変化する働き方や雇用者側の生活に合わせて、就業規則の見直しや社員の適切な管理を今一度見直してみる良い機会なのかもしれません。

 

 

まとめ

終身雇用はもはや幻想となり、1つの会社に打ち込み生涯を持って勤め上げるといった人生のロールモデルは大きく変わろうとしています。

 

若い世代ほどそうした変化に敏感で従来の働き方を知らない世代は、インターネットやSNS、人工知能やこれから誕生するであろう新しいテクノロジーを使った経済圏の中で、今はまだない"仕事"にチャレンジしていくことでしょう。

 

企業としては、多様化する個人のパフォーマンスへの柔軟な対応が求められており、それが優秀な人材の確保と生産性向上へのヒントとなるのかもしれません。

 

 

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