【2021年最新版】副業をしたらサラリーマンも確定申告が必要?「20万円ルール」とは?やり方を徹底解説!

最終更新日:2022年11月16日

確定申告

こんにちは。

副業アカデミーの谷口です。

 

副業で収入を得られるようになった際、頭の片隅において置かなければならないのが「税金」です。

個人事業主であれば本業だけでも毎年「確定申告」をすることが原則なので問題ありませんが、特に本業がサラリーマンの場合は、これまでに確定申告をしたことがないという方も多いのではないでしょうか?

しかし、サラリーマンの方でも本業以外の収入を副業から得るようになった場合、一定の条件を超えると、確定申告をする義務が発生します。

では、一体どんな場合に確定申告が必要になるのでしょうか?

またその際にどのような手続きを行えば良いのでしょうか?

今回は、サラリーマンが副業で収入を得た場合の確定申告について詳しく解説していきます。

前提のお話

納める税金の額は自分で決める?

日本をはじめ、世界の多くの国では「申告納税制度」という納税方法を採用しています。

これは、国などに支払う税金について、

  • 納税者自身が税務署へ所得などの申告を行うことで税額を確定させる
  • 確定した税額を納税者が自ら納付する

という制度のことです。

つまり、自分が納める税金の額は、自分自身が決める(確定させる)ということになるわけです。

日本においては、「国税通則法」という法律の第16条に規定されています。

この制度が取り入れられたのは戦後になってからで、それまでは行政機関側で税額を確定する「賦課(ふか)課税制度」という方式が採用されていました。

(なお地方税については、現在も賦課課税制度が一般的となっています。)

サラリーマンが確定申告をしなくても良い理由

源泉徴収と年末調整

ここまでを読んで、サラリーマンの方は疑問を感じるのではないでしょうか?

「働いて給料をもらっているのに、なんで私は税額の申告をしていないのだろう?」

納税は国民の三大義務の一つなので、税金の納付はサラリーマンだろうが、個人事業主だろうが、投資家だろうが、経営者だろうが、所得がある人には必ず発生するものです。

ということは、本来サラリーマンも確定申告をする必要があるはずなのに、なぜ多くの方はそれをしないのでしょう?

それはあなたに変わって、あなたの勤めている会社が申告をしてくれているからです。

そのための制度が、「源泉徴収」と「年末調整」です。

源泉徴収と年末調整

源泉徴収とは、会社が従業員の給与から支払うべき税金を差し引いて、従業員の代わりに納税する制度です。

基本的に事業を行う会社は全て源泉徴収を行う義務があり、集めた所得税を翌月10日までに所轄の税務署へ納付をすることになっています。

そして、この源泉徴収を受けている従業員は確定申告の必要がないことになっているのです。

しかし、源泉徴収の対象となっている所得税は年間の所得合計額(1年間のトータルの所得)に対して課税されるものなので、月々徴収を行うと本来納付すべき税額よりも多くなったり、少なくなったりする事があります。

そこで、1年間の所得額を正確に計算し、それに基づいて最終的な税額を算出して、それまでに徴収した税額との誤差を無くす作業が行われます。

これが「年末調整」です。

11月から12月になると年末調整に関する書類を会社に提出すると思いますが、これは会社があなたに代わってあなたの1年間の所得額を計算し、税額の過不足を調整するために必要だからです。

年末調整の結果、徴収されていた金額が納付すべき税額より多ければ給与に追加して支払われ、逆に徴収されていた金額が納付すべき税額より少なければ、給与から差し引かれるという形になっています。

副業をするとサラリーマンでも確定申告が必要になる理由

ここまででサラリーマンの方が確定申告をしなくても良い理由がお分かりになったかと思います。

では、なぜ副業をすると確定申告が必要になるのでしょうか?

それは、「副業で得た収入は会社が行ってくれる源泉徴収や年末調整の対象ではない」からです。

当たり前の話ですが、会社はあなたが副業でどのくらいの収入を得ているのかを知る術は有りません。

給与は会社が支払うものなので把握できますが、副業の収入は会社以外の人があなたに支払うので、知りようが無いわけです。

よって、副業で得た収入については、基本的にあなた自身が所得額を計算して、税務署へ申告し、納税をする必要があるのです。

申告が必要無いケースもある

副業で収入を得た場合、基本的に「確定申告」が必要になりますが、実は副業で収入を得ていても、確定申告が免除されるケースがあります。

では一体どんな場合に確定申告が必要で、どんな場合に必要が無いのでしょうか?

確定申告の要不要の基準「20万円ルール」

副業で収入を得た場合の確定申告について、その要不要を決める大きな基準が、「20万円ルール」です。

これは、副業で得た「所得」が年間で20万円を超えたかどうかによって、確定申告が必要になるかそうでないかが決まるという内容になっています。

ここで注意が必要なのが、あくまでも対象は「所得」であって、「収入」ではないことです。

所得とは、収入から支出(経費)を差し引いた金額を指します。

例えば、あなたがライティングの副業をして、1年間で30万円の収入を得たとします。

しかし、執筆の為に12万円の取材費がかかっていた場合、所得額は30万円−12万円=18万円<20万円となるので、この場合は確定申告が必要ないのです。

確定申告が必要なケースまとめ

このように20万円ルールという1つの大きな基準があるのですが、一方で副業からの所得が20万円以下でも確定申告の対象になるケースもあります。

そこで、以下に確定申告の対象になるケースをまとめます。

1.給与年収が2,000万円を超える人

1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人は、年末調整の対象者から外れます。

よって、副業の所得額に関わらず、確定申告が必要です。

2.給与以外からの所得が20万円を超える人

先程説明した20万円ルールが適用されるケースですね。

3.2ヶ所以上から給与をもらっている人

給与なので、それぞれの会社で源泉徴収と年末調整はされますが、課税対象となる所得の合計額にずれが生まれるので、確定申告が必要です。

副業がバイトやパートだった場合は、これにあたるので、所得が20万円以下でも確定申告の対象になります。

4.110万円を超える贈与を受けた人

贈与税の対象になるので、副業の所得額に関わらず確定申告が必要です。

5.不動産(家や土地)を貸したり売却して収入を得た人

不動産所得の対象になるので、確定申告が必要です。

6.株やFX、投資信託で一定額以上の収入があった人

譲渡益が38万円以上ある人は確定申告が必要にります。

しかし、「特定口座」(自動的に源泉徴収が行われる口座のこと)を利用している場合や、NISAなどの非課税投資枠内だった場合は不要となります。

7.一時所得がある人

当たり馬券や懸賞で当たった賞金などが一定額以上になると、一時所得として課税の対象になるため、確定申告が必要になります。

 

※この他に「退職所得」=会社からの退職金を受け取った人や公的年金を受け取っている人の一部も対象になることがありますが、ここでは「サラリーマン」についてということで除外しています。

確定申告をしないとどうなる?

確定申告書

確定申告には決められた期間があり、毎年概ねバレンタインデーあたり(2月14日前後)からホワイトデーあたり(3月14日前後)までの1ヶ月間とされるのが通例です。

(2019年分の確定申告はコロナウイルスの感染拡大を鑑みて、この期間が延長されました。)

原則この期間内に確定申告や納税を行わないと、税金が重たくなるという罰則があります。

罰則1.無申告加算税

期限内に申告を行わないと、本来支払うべき税額に加算されるのが「無申告加算税」です。

納税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分には20%が上乗せされます。

しかし、

  • 無申告に正当な理由があること
  • 期限後申告日から過去5年間のうちに無申告加算税もしくは重加算税を課されたことがないこと
  • 期限後申告の後、税額を期日までに納付したこと

といった条件をクリア出来れば、無申告加算税は課されなくなります。

罰則2.延滞税

1の「無申告加算税」は申告がされなかったことに対する加算税ですが、延滞税は確定した税額を期限内に納付しなかったことに対して加算される税です。

期限後に申告をした場合、本来の期限の翌日から申告書を提出するまでの日数に応じて自動的に課税されます。

申告が送れるほど税率が高くなる仕組みで、納付期限の翌日から2ヶ月を経過するまでは7.3%、それ以降だと14.6%が課されます。

 

このように、確定申告を怠ると、非常に重い加算税が課されます。

期限内に確定申告をするのが原則ですが、もし万が一期限に遅れてしまった場合でも、一刻も早く税務署へ赴くことが重要です。

確定申告のやり方

まずは情報収集

実際に確定申告をするとなった場合、まずは何から始めれば良いのでしょうか?

僕自身もフリーランスとして副業をしており、これまでに5回ほど確定申告を経験していますが、僕自身は初めての確定申告の時にまず行ったのは「情報収集」です。

中でもおすすめできるのが、「税務署に行って詳しく話を聞くこと」です。

確定申告の方法について解説している記事はたくさんありますし、それらの記事である程度正確な確定申告の手続きを行うことは出来るでしょう。

しかし、このコラムを読んでくれる方もお一人おひとり状況は様々だろうと思います。

ですから、まずは税務署に行ってご自身の状況を話し、

  • そもそも確定申告が必要なのか
  • 確定申告が必要な場合、どんな書類を揃えて提出する必要があるのか
  • 具体的な手続方法

の3点をきちんと確認しておくことがとても大切です。

税理士に確定申告の相談をすると相談料が発生することがほとんどですが、税務署は公的機関なので、相談は無料です。

また国税庁のウェブサイト内に、確定申告特集ページも設置されていますので、こちらをまず見てみるというのも良いでしょう。

実際の申告方法

情報収集が終わったら、申告の準備と申告を行いましょう。

必要なことは

  1. 申告に必要な書類の準備
  2. 申告書などの作成と提出
  3. 税金の納付や還付の手続き

の3つです。

1.申告に必要な書類の準備

税務署で確定申告の相談をすると、あなたにどんな所得があって、それを申告するためにどんな書類を用意する必要が有るのかを教えてくれます。

(例えば、サラリーマンなら間違いなく必要になるのは、会社から貰う源泉徴収票が挙げられます。)

教えてもらった書類を自身で用意できるものは用意し、作成を依頼したり取り寄せる必要があるものはそれぞれ依頼をして手元に用意しましょう。

2.申告書などの作成と提出

必要書類が用意できたら次は申告書などの作成です。

これは税務署で書類をもらって手書きで作成する方法もありますが、e-Tax(国税電申告・納税システム)や会計ソフトを使ってパソコンやスマートフォンから作成することも可能です。

途中で記入方法がわからなくなることもあるかもしれませんが、その場合は税務署に電話して相談したり、税務署に赴いてその場で書き方を教わることも可能です。

3.税金の納付や還付の手続き

確定申告の結果、税金を収める必要がある場合は、指定の方法で期限内に納付する必要があります。

支払い方法として多いのは、確定申告書類の提出と同時に払込票に金額を記入して、税務署で現金で支払う方法です。

一方で、確定申告の結果税金を支払い過ぎであることが分かった場合は、過払いになっていた税金が還付されます。

還付の方法でよく見られるのは、銀行口座を指定して振込を受ける方法です。

還付は申告から一定の期間が経ってから行われますが、一般的に申告が早ければ早いほど還付も早くなります。

便利ツールを有効活用

便利ツール

これは個人的な感想なので、参考意見程度にして頂ければと思うのですが...

一見面倒くさそうな確定申告も、一度経験してみると2回目以降はさほど難しさを感じることはないんじゃないかと思います。

僕の場合は個人事業主として副業を行っていて、確定申告もメリットの多い「青色申告」にしていることから、「freee」というクラウド会計ソフトを利用しています。

もちろん利用料は経費として計上できますし、クレジットカードや銀行口座を連携しておくと、売上の入金や経費の支払いを自動的に取り込んでくれるため、簡単な仕分けをするだけで日々の帳簿をつけることが出来ます。

確定申告の際も、会計ソフト側の質問に1つずつ答える(入力をしていく)だけで申告書類の作成が出来ますし、e-Taxと連携をすれば電子申告も可能だそうです。

(僕は申告書の作成をソフト上でして、税務署に提出に行っているので、まだ電子申告の経験はありません。)

年に一度しか機会が無い確定申告ですが、とても大切なことなので、可能であればこういった便利ツールを上手に活用するのも良いかもしれませんね。

まとめ

ということで、今回はサラリーマンの方が副業で収入を得た際に必要になる、確定申告について解説してきました。

確定申告が必要になるか、そうでないかの判断も含めて、一番正確な情報を得るには、やはり税務署に相談に行くことです。

小さな見落としで申告が遅れてしまい、重い加算税を課されるリスクを考えれば、多少手間でも相談をしてそのリスクを回避するほうが賢明ですよね?

そして、相談はなるべく早めにすることをおすすめします。

確定申告の期間が始まってしまうと、相談に訪れる人もとても多くなるので、相談するのにも時間がかかったり、そうだん時間も限られてしまいます。

まずはご自身がお住まいのエリアを管轄している税務署がどこなのかを調べて、相談に行ってみてくださいね。

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