副業の20万円ルールとは?確定申告が不要になる条件と、20万円以下でも必要な手続き
最終更新日:2026年2月24日

「副業の収入が20万円以下なら、確定申告はしなくていい」と聞いたことはありませんか。これは「20万円ルール」と呼ばれるもので、会社員が副業をするときに必ず知っておきたいルールです。
ただし、20万円ルールには「収入ではなく所得で判断する」「住民税には適用されない」など、誤解されやすいポイントがいくつもあります。この記事では、20万円ルールの正しい意味と、20万円以下でも必要な手続きを解説します。
この記事の要点
- 20万円ルールとは、年末調整を受けている会社員の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円以下なら、所得税の確定申告が原則不要になるルールです。
- 判断の基準は「収入」ではなく、収入から経費を引いた「所得」です。20万円を「超える」と申告が必要で、ちょうど20万円なら不要です。
- 20万円以下でも、住民税の申告は必要です。
- 医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告します。
なぜ会社員は普段、確定申告をしなくていいのか

日本の所得税は、本来、納税者が自分で所得と税額を計算して申告する「申告納税制度」をとっています。それでも多くの会社員が確定申告をしないのは、会社が源泉徴収と年末調整で、代わりに税金を精算しているからです。
源泉徴収は、会社が毎月の給与から所得税を差し引いて納める仕組みです。年末調整は、1年間の給与が確定したところで、それまでに差し引いた税金の過不足を精算する手続きです。毎年11〜12月ごろ、会社に保険料控除の書類などを提出するのがこれにあたります。
ただし、会社が精算できるのは、会社が支払った給与の分だけです。副業で得たお金は会社の源泉徴収・年末調整の対象外なので、原則として自分で申告する必要があります。その例外として設けられているのが、20万円ルールです。
副業の20万円ルールとは
年末調整を受けている会社員が対象
20万円ルールとは、給与を1か所から受け取り、年末調整を受けている会社員の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告が原則不要になるというルールです。
次のような人は、20万円ルールの対象になりません。
- 給与の収入金額が年間2,000万円を超える人(年末調整の対象外のため)
- 年の途中で退職し、年末調整を受けていない人
- 個人事業主やフリーランスなど、会社員ではない人
「収入」ではなく「所得」で判断する
20万円の判定に使うのは、副業で受け取った「収入」ではなく、収入から必要経費を差し引いた「所得」です。
たとえば、フリマアプリで仕入れた商品を販売する副業で、1年間の売上が30万円、仕入れ代や送料などの経費が12万円だったとします。この場合の所得は、30万円−12万円=18万円です。20万円以下なので、所得税の確定申告は原則不要です。
20万円を「超える」と申告が必要
確定申告が必要になるのは、所得が20万円を超える場合です。所得がちょうど20万円なら、申告は不要です。「20万円以上なら必要」と書かれていることもありますが、正しくは「20万円を超えたら必要」です。
20万円に含まれる所得・含まれない所得
20万円は、副業1つごとではなく、給与以外の所得をすべて合計した金額で判断します。主な副業や収入が、合計に含まれるかどうかは次のとおりです。
| 副業・収入の例 | 20万円の合計に | ポイント |
|---|---|---|
| Webライター、ブログ、動画配信、せどりなど | 含まれる | 雑所得または事業所得。収入から経費を引いた金額 |
| 不動産の家賃収入 | 含まれる | 不動産所得。家賃収入から経費を引いた金額 |
| FX(国内のFX会社) | 含まれる | 決済して確定した利益が対象 |
| 株式(特定口座・源泉徴収あり) | 含めなくてよい | 証券会社が税金を差し引いているため、申告しないことを選べる |
| 株式(一般口座・特定口座の源泉徴収なし) | 含まれる | 売却益が対象 |
| NISA口座での利益 | 含まれない | 非課税のため |
| 競馬の払戻金、懸賞金など(一時所得) | 含まれる場合がある | 年間の合計から特別控除50万円を引き、その2分の1が対象 |
| 自分の不用品をフリマアプリで売ったお金 | 含まれない | 生活用品の売却は原則非課税(1点30万円を超える貴金属や美術品などを除く) |
たとえば、ブログの所得が12万円、FXの利益が10万円なら、合計22万円で20万円を超えるので、確定申告が必要です。
副業がアルバイト・パート(給与)の場合
副業先でも雇用されて給与を受け取っている場合は、給与を2か所から受け取っていることになり、判定の仕方が変わります。
この場合は、年末調整を受けていないほうの給与(副業先の給与)の収入金額と、給与以外の所得の合計が20万円以下なら、確定申告は原則不要です。給与には経費がないので、所得ではなく「収入金額」で判断する点に注意してください。
副業先のアルバイト代が年間20万円を超えている場合は、確定申告が必要です。
20万円以下でも必要な手続き・注意点
住民税の申告は必要
20万円ルールは所得税だけのルールで、住民税にはありません。副業の所得が20万円以下で確定申告をしない場合でも、お住まいの市区町村に住民税の申告が必要です。申告の方法は自治体によって異なるので、市区町村の住民税担当に確認してください。
住民税の申告や納め方によっては、副業が会社に知られるきっかけになることもあります。詳しくは「副業が会社にバレない方法は?」で解説しています。
確定申告をするときは、20万円以下の副業所得も含める
医療費控除や住宅ローン控除(初年度)を受けるためなど、別の理由で確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告する必要があります。20万円ルールは「確定申告をしなくていい」というルールで、「申告するときに書かなくていい」というルールではありません。
報酬から税金が引かれていれば、申告で戻ることがある
ライターやデザイナーなどの報酬は、支払う側が所得税を差し引いて(源泉徴収して)支払うことがあります。その場合、確定申告をすると、払いすぎた税金が戻ってくる(還付される)ことがあります。20万円以下で申告が不要な場合でも、申告するかどうかは自由なので、支払明細を確認してみましょう。
申告しなかった場合のペナルティ

確定申告が必要なのに期限までに申告しなかった場合、本来の税金に加えて、次のような税金がかかることがあります。
無申告加算税
期限内に申告しなかったことに対するペナルティです。原則として、納める税額のうち50万円以下の部分に15%、50万円超300万円以下の部分に20%、300万円を超える部分に30%がかかります(300万円超の部分の30%は、2024年1月1日以後に申告期限が来るものに適用)。
税務署の調査の通知を受ける前に、自主的に期限後申告をした場合は、5%に軽減されます。さらに、期限から1か月以内の自主的な申告で、納める税金を期限内に全額納付しており、過去5年間に無申告加算税などを課されていない、といった条件をすべて満たせば、無申告加算税はかかりません。
延滞税
期限までに納めなかった税金に対して、遅れた日数に応じてかかる、利息のような税金です。割合は毎年見直されていて、納期限の翌日から2か月を経過する日までと、それ以降とで割合が変わります(2か月を過ぎると大きく上がります)。
どちらも、気づいた時点ですぐに申告・納付すれば負担を小さくできます。期限を過ぎてしまっても、できるだけ早く申告しましょう。
迷ったら、税務署や無料相談で確認しよう
20万円ルールの判定は、副業の種類や、ほかに投資の利益があるかどうかによって変わります。自分のケースで申告が必要か迷ったら、税務署や、確定申告の時期に開かれる無料の申告相談で確認するのが確実です。税務署への相談は無料で、電話でも受け付けています。
確定申告の手順や必要書類、無料で相談できる窓口は「副業の確定申告のやり方」で詳しく解説しています。
確定申告を経験した執筆者からのアドバイス

私自身も個人事業主として副業をしており、何度か確定申告を経験しています。初めての申告では、まず税務署で「そもそも申告が必要か」「どんな書類が必要か」「具体的な手続きの方法」を確認しました。一度経験すると、2回目以降はそれほど難しく感じなくなります。日々の記帳には、銀行口座やクレジットカードと連携して取引を自動で取り込めるクラウド会計ソフトを使うと、申告書の作成までがぐっと楽になります。
よくある質問
Q. 副業の20万円ルールとは何ですか?
A. 給与を1か所から受け取り、年末調整を受けている会社員の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円以下なら、所得税の確定申告が原則不要になるルールです。
Q. 20万円は「収入」と「所得」のどちらで判断しますか?
A. 収入から必要経費を引いた「所得」で判断します。ただし、副業がアルバイトなどの給与の場合は、経費を引かない「収入金額」で判断します。
Q. 所得がちょうど20万円の場合、確定申告は必要ですか?
A. 不要です。確定申告が必要になるのは、所得が20万円を「超える」場合です。
Q. 副業が20万円以下なら、住民税の申告もいりませんか?
A. いいえ。20万円ルールは所得税だけのルールです。所得税の確定申告をしない場合でも、お住まいの市区町村に住民税の申告が必要です。
Q. 副業が複数ある場合、20万円はどう判断しますか?
A. 副業ごとではなく、給与以外の所得をすべて合計して判断します。たとえば、ブログの所得が12万円、FXの利益が10万円なら、合計22万円なので確定申告が必要です。
Q. 株やNISAの利益も20万円に含まれますか?
A. NISA口座での利益は非課税なので含まれません。特定口座(源泉徴収あり)の利益は、申告しないことを選べば含めなくてかまいません。一般口座や、源泉徴収なしの特定口座の売却益は含まれます。
Q. 副業がアルバイトの場合も20万円ルールは使えますか?
A. 使えます。年末調整を受けていないほうの給与(副業先の給与)の収入金額と、給与以外の所得の合計が20万円以下なら、確定申告は原則不要です。
Q. 医療費控除を受けるときも、20万円以下の副業所得は書かなくていいですか?
A. いいえ。医療費控除などのために確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告する必要があります。
Q. 20万円を超えたのに申告しなかったらどうなりますか?
A. 本来の税金に加えて、無申告加算税や延滞税がかかることがあります。気づいたら、できるだけ早く期限後申告をしてください。期限から1か月以内の自主的な申告で、一定の条件を満たせば、無申告加算税はかかりません。
まとめ
副業の20万円ルールは、年末調整を受けている会社員が、給与以外の所得の合計が年間20万円以下なら、所得税の確定申告をしなくてよいというルールです。判断の基準は「収入」ではなく「所得」で、20万円を「超える」と申告が必要になります。
一方で、20万円以下でも住民税の申告は必要で、医療費控除などで確定申告をするなら副業の所得も含めます。「20万円以下だから何もしなくていい」とは考えず、迷ったら税務署や無料の申告相談で確認しましょう。
※この記事は、執筆時点の制度をもとに一般的な内容を解説したものです。具体的な申告内容については、国税庁のホームページや税務署、税理士などにご確認ください。
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