副業の時給はいくら?経費や移動時間まで含めた「実質時給」の計算方法と、時給を上げる考え方
最終更新日:2018年9月6日

「副業で月に◯万円入った」と聞くと、うまくいっているように感じます。でも、その収入を得るのに何時間かかったでしょうか。移動や準備の時間、手数料や経費を差し引くと、1時間あたりの手取りは思ったより少ない、ということがよくあります。
副業を続けるか、別の副業に替えるかを考えるときに役立つのが、かかった時間すべてと、経費・手数料を含めて計算する「実質時給」です。本業と副業の両方で時給を計算してみると、自分の時間の使い方を客観的に見直せます。
この記事では、本業と副業の時給の計算方法、副業の種類ごとの計算例、実質時給を上げる考え方と、時給だけで判断しないための視点を解説します。
この記事の要点
- 副業の時給は「報酬÷作業時間」ではなく、「(報酬−経費・手数料)÷(作業時間+移動・準備・やり取りの時間)」で計算すると実態に近くなります。
- 実際に計算すると、表面上の時給より大きく下がることがあります。副業の所得には税金もかかります。
- 実質時給を上げるには、単価を上げる、作業を効率化する、移動や手間を減らす、副業そのものを選び直す、といった方法があります。
- ただし、時給だけで判断せず、スキルが身につくか、将来につながるか、続けられるかもあわせて考えましょう。
まずは本業の時給を計算してみよう
月給制の会社員は、自分の1時間あたりの収入を意識することが少ないかもしれません。本業の時給は、次の式で計算できます。
本業の時給 = 月の給与 ÷ 月の労働時間
たとえば、月給25万円、1日8時間・月20日勤務なら、25万円÷160時間=約1,560円です。残業が月20時間あれば、残業代を含めた給与を180時間で割ります。さらに、通勤時間も含めて考えると、1時間あたりの価値はもう少し下がります。
この計算は、副業の時給と比べるときの「ものさし」になります。また、手取り(税金や社会保険料を引いた後の金額)で計算すると、実際に使えるお金の感覚に近くなります。
副業の「実質時給」の計算方法
副業の時給は、報酬を作業時間で割るだけだと、実際より高く見えてしまいます。次の式で計算するのがおすすめです。
実質時給 =(報酬・売上 − 経費・手数料)÷(作業時間 + 移動・準備・やり取り・学習の時間)
- 引くもの(お金):サービスの手数料、販売手数料、送料、仕入れ代、交通費、道具やソフトの費用など
- 足すもの(時間):移動時間、準備や片付け、依頼者とのやり取り、案件探し、修正対応、勉強の時間など
副業の種類ごとの計算例
次の例は、計算のしかたを示すためのもので、実際の単価や作業時間、収入を示すものではありません。実際の数字は、仕事の内容やその人の経験によって大きく異なります。
| 受注型(Webで仕事を請け負う) | 物販(仕入れて販売する) | アルバイト | |
|---|---|---|---|
| お金 | 報酬5,000円、サービス手数料1,000円 → 手元に4,000円 |
売上10,000円、仕入れ6,000円、販売手数料1,000円、送料800円 → 利益2,200円 |
時給1,100円×4時間=4,400円、交通費300円(自己負担) → 手元に4,100円 |
| 時間 | 作業4時間、案件探しとやり取り1時間 → 5時間 |
商品探し・出品・梱包・発送で2時間 → 2時間 |
勤務4時間、往復の移動1時間 → 5時間 |
| 実質時給 | 800円 | 1,100円 | 820円 |
| 見落としやすい点 | 修正対応や、応募しても採用されなかった時間 | 売れ残りや値下がりで、利益がマイナスになることがある | 表面の時給は高く見えても、移動時間で下がる |
このように、表面上の時給や報酬額と、実質時給は大きく違うことがあります。物販のように、うまくいけば時間あたりの効率が上がる副業もありますが、売れなかったときに損をするリスクも一緒に考える必要があります。
税金もかかる
副業の所得には、所得税と住民税がかかります。会社員の場合、副業の所得(収入から経費を引いた金額)が年20万円を超えると所得税の確定申告が必要で、20万円以下でも住民税の申告は別に必要です。実際に手元に残るお金は、計算した実質時給よりさらに少なくなると考えておきましょう。経費の記録を残しておくことが、実質時給を正しく把握することにもつながります。詳しくは副業の確定申告のやり方をご覧ください。
実質時給を上げる考え方
1. 単価を上げる
同じ時間でも、1件あたりの報酬が上がれば時給は上がります。受注型なら、実績を積んで単価の高い案件に挑戦する、専門知識を活かせる分野に絞る、といった方法があります。
2. 作業を効率化する
よく使う文章や手順をテンプレートにする、作業をまとめて行う、生成AIを下書きや情報整理の道具として使う、などで作業時間を減らせます。ただし、AIを使うときは、内容の確認や、依頼先のルールを守ることが前提です。
3. 移動とやり取りの時間を減らす
移動が必要な副業は、近場の仕事を選ぶ、まとめて受ける、といった工夫で時間を減らせます。やり取りが多い依頼は、最初に作業範囲を明確にしておくと、修正対応の時間を減らせます。
4. 手数料や経費を見直す
サービスの手数料、送料、道具の費用など、毎回かかるお金を見直すと、手元に残る金額が増えます。
5. 副業そのものを選び直す
工夫しても実質時給が上がらない場合や、時間を増やさないと収入が増えない仕組みの場合は、副業そのものを見直すタイミングかもしれません。作業時間を自分で調整できるか、続けるほど効率が上がる仕組みかも、選び直すときの視点になります。選び方は副業の選び方|自分に合う副業が見つかる6つの軸で解説しています。
時給だけで判断しないために
実質時給は大切な目安ですが、それだけで副業の良し悪しを決める必要はありません。次の点もあわせて考えましょう。
- スキルが身につくか:今の時給が低くても、身につけたスキルで将来の単価が上がる副業もあります
- 将来につながるか:転職や独立、本業での評価に役立つ経験になるか
- 続けられるか:時給が高くても、苦痛な作業や体力的にきつい仕事は長続きしません
- リスクに見合っているか:時間あたりの効率が高い副業ほど、損失のリスクがある場合もあります
- 本業と生活を圧迫していないか:睡眠や家族との時間を削っていないか(副業と本業を両立するコツ)
また、「短時間で高時給」「1日◯分で月◯万円」とうたう副業の勧誘には注意してください。仕事の内容があいまいなまま、先にお金を払わせる手口もあります(副業詐欺の手口と見分け方)。
よくある質問
Q. 副業の時給はどうやって計算すればいいですか?
A. 「(報酬・売上−経費・手数料)÷(作業時間+移動・準備・やり取りなどの時間)」で計算すると、実態に近い実質時給が分かります。報酬を作業時間だけで割ると、実際より高く見えてしまいます。
Q. 本業の時給はどう計算しますか?
A. 月の給与を月の労働時間で割ります。たとえば月給25万円で月160時間働くなら、時給は約1,560円です。残業代や通勤時間、手取りで計算すると、より実感に近くなります。
Q. 実質時給に含めるべき時間は何ですか?
A. 作業そのものの時間に加えて、移動、準備や片付け、依頼者とのやり取り、案件探し、修正対応、勉強の時間などです。見落としやすい時間ほど、実質時給を大きく下げます。
Q. 実質時給を計算したら、思ったより低かったです。
A. 単価を上げる、作業を効率化する、移動ややり取りの時間を減らす、手数料や経費を見直す、といった方法を試してみましょう。それでも上がらない場合は、副業そのものを選び直すことも検討してください。
Q. 時給が低い副業は続けないほうがいいですか?
A. 時給だけで判断する必要はありません。スキルが身につく、将来につながる、楽しく続けられる、といった価値がある副業もあります。目的と照らし合わせて判断しましょう。
Q. 物販は時給が高いのですか?
A. 商品と売り方によっては時間あたりの効率が上がることもありますが、売れ残りや値下がりで利益がマイナスになることもあります。時給だけでなく、損失のリスクもあわせて考えましょう。中古品を仕入れて売る場合は古物商許可も必要です。
Q. 副業の時給に税金は関係ありますか?
A. 副業の所得には所得税と住民税がかかるため、実際に手元に残るお金はさらに少なくなります。会社員の場合、副業の所得が年20万円を超えると確定申告が必要です。
Q. AIを使えば副業の時給は上がりますか?
A. 下書きや情報整理などにAIを使うと、作業時間を減らせることがあります。ただし、内容の確認は自分で行う必要があり、AIの利用を禁止している依頼もあるため、ルールを守って使いましょう。
Q. 「短時間で高時給」の副業は本当にありますか?
A. 「1日◯分で月◯万円」などとうたう副業には注意してください。仕事の内容があいまいなまま、先に教材費や登録料を払わせる手口もあります。不安なときは消費者ホットライン「188」に相談してください。
※この記事の計算例は、計算のしかたを示すためのもので、実際の単価・作業時間・収入を示すものではありません。副業の収入は、取り組む内容、時間、経験、市場の状況などによって大きく異なり、収入を保証するものではありません。税金の詳細は税務署や税理士にご確認ください。
まとめ
副業の時給は、報酬を作業時間で割るだけでなく、経費・手数料と、移動・準備・やり取りの時間まで含めた「実質時給」で考えると、実態が見えてきます。計算してみると、表面上の時給より大きく下がることも少なくありません。
実質時給を上げるには、単価、効率、移動ややり取りの時間、手数料や経費を見直し、それでも難しければ副業を選び直すことも検討しましょう。ただし、時給だけでなく、スキルや将来へのつながり、続けやすさもあわせて判断することが大切です。
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