取得促進となるか?【有給義務化】は2019年4月から

最終更新日:2018年10月22日

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有給があると言っても会社の雰囲気や膨大なタスク、ただでさえ足りない人でのせいで休みを取りづらい雰囲気はありませんか?

実際、群馬県中小企業団体中央会の実態調査によると、労働者1人平均の年次有給休暇は15.71日あるのにも関わらず取得したのは平均7.68日、取得率48.9%と非常に低い数値になっています。

本来有給とは一定期間勤務した労働者に付与される賃金が減額されない休暇のことで、休んでもその日の分の給与が支払われる制度です。

あるのはわかっているけど、取得にはなんとなく後ろめたい気持ちになってしまう。そんな有給ですが、働き方改革が順次進められている中で、"年次有給休暇"の取得義務化が始まります。

 

有給取得の義務化

2019年4月1日より働き方改革法案により労働基準法が改正され、年10日以上有給休暇の権利がある従業員について最低でも5日以上は有給休暇を与えることが義務付けられました。

対象となるのは

  • 入社後6か月が経過している正社員またはフルタイムの契約社員
  • 入社後3年半以上経過している週4日出勤のパート社員
  • 入社後5年半以上経過している週3日出勤のパート社員

義務化となる"5日分"の日程は、本人の希望、または会社側が指定した日によって決定しますが、違反した企業は"6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金"の対象となります。

 

会社の対応

企業側の対応としては、個別に従業員を管理し、消化日数が足りていない社員に対して有給休暇取得日を指定する方法か、「年間年休制度」として会社の労使協定によって予め有給休暇取得日を決定しておく方法になります。その場合、夏季休暇や年末年始などにまとめて休暇を設定することで半自動的に消化させる仕組みとなるでしょう。

これまでは有給取得は本人の意向により、休暇をとらなくても問題はありませんでしたが、今回の改正により有給取得が足りていない社員には取得を促すような動きになります。

 

有給アレコレ

日本人の悪い癖でもある、休み=悪いことといった印象はなかなか拭えるものではありません。

下記厚生労働省のデータを見ると如何に私達が周りを気にしながら仕事をしているかが良く解ります。

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<※画像出典:厚生労働省「仕事休もっ化計画 事業者主の方へ」>

諸外国に比べ日本は有給の取得率が50%と先進国の中でもダントツに低い水準となっています。国としては日本に蔓延する「休めない雰囲気」を少しでも解消すべく、強制的に休みをとらせる方向へと進んでいることになります。

 

さて、

2019年4月から始まる義務化によって有給取得が促進されることを期待したいところですが、今回は、意外と見過ごしがちな有給の豆知識をご紹介しておきたいと思います。

ぜひ上手に活用して、休息や趣味の時間、副業への学びに充てることができれば良いですね。

冠婚葬祭と有給

もし会社が「慶弔休暇」を設けている場合、結婚や出産、親族の不幸によって有給を取得する必要はありません。

これは法律で定められている休暇ではありませんが、一般的には結婚で5日、親族の死亡で2~5日程度の休暇が認められる会社もあります。

気になる方は会社の「就業規則」を見直してみてください。

 

産休

産休には妊娠期間中の「産前休業」と出産後の「産後休業」に分かれています。主に働いている女性が申請すれば取得可能な休暇になります。

これは本人の意識や会社の制度にかかわらず法律で働くことを禁止しており、有給とは無関係で、健康保険に加入していれば出産手当金を受け取ることが出来ます。

 

育休

育休も「育児休業」と「育児休暇」の2つがあります。

「育児休暇」は育児のために休暇を取ることであり、法律や制度があるわけではありません。もちろん会社が定めていなければ給与はでませんから、希望する場合は有給を取得する必要があります。ただ、「育児休業」は法律に基づいて取得を権利づけられている制度で、会社に精度がなくても休業開始の1ヵ月前までに申請すれば育児休業給付金を受け取ることができます。

 

会社は拒否できるか

従業員から有給の申請があった場合、基本的に会社側は拒否することが出来ません。

ただし、会社の運営上の影響を理由に時季を変更する権利の行使は認められています。これは時季変更権と呼ばれていますが、代替の日程を指定する必要はなく単に指定された日程の有給を拒否することが可能です。

 

最後に

いかがでしょうか?

働き方改革の一端でもある有給休暇義務化と、意外に知られていない有給のポイントをご紹介しました。

義務化と言いつつ会社側が日程を指定したり、思うような消化ができないことは予想されますが、労働者側の権利としてしっかり主張するようにしましょう。

「休めない雰囲気」は誰かが少しづつ、いずれ皆で変えていかなければ現状のままで終わってしまいますから、休む勇気を持って働くことができれば良いですね。

 

 

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