副業を【法人化】すべきタイミングとは?またそのメリットをご紹介
最終更新日:2022年4月4日
副業を真剣に取り組んでいるうちに利益がどんどん大きくなり毎年の確定申告時が怖い。これなら法人化してしまった方がいいのでは?と考える人もいらっしゃるのではないでしょうか。
働き方改革が本格化し、副業の収入が本業を超え、脱サラして独立したい。けどそのタイミングが見極められない。
そうした嬉しい悩みを持つ人も少なくないはずです。
今回は法人化を本格的に考えるべきタイミングや注意点、メリット/デメリットをご紹介します。
まだまだそんなのは先だ。と思っている方も知っておくだけでモチベーションアップや税務対策にも繋がりますからぜひご一読下さい。
そもそも"法人化"って何?
"法人"とは、法律として主体性が認められた一定の目的を持つ個人、もしくは組織のことを表しています。
民法の場合ですと「自然人以外で権利能力を有するもの」、会社法の場合では「法人格を有し、営利を目的とする社団法人」と、法律によってその捉え方が微妙に異なりますが、個人と違い法律上の権利義務を主体とされ、その種類は、公法人、私法人、社団法人と財団法人、営利法人と公益法人と中間法人、外国法人と内国法人などに分類されます。
少し難しい概念ではありますが、法律上人として扱われる単位としての存在のことになります。
さらに企業、会社と目的によって細分化されていますが、大きく異なるのは社会的信用度の度合いになり、当然個人事業主よりも法人の方が圧倒的に信用されています。
個人事業主が法人化することは通称「法人成り」とも呼ばれ、事業の規模によっては法人化することでメリットがある場合もあります。
法人を設立(法人成り)する方法
法人を設立する場合、株式会社だと約20万円、合同会社で約6万円が必要になります。
※平成18年5月以降は新しい会社法により有限会社は設立できなくなりました。
主要な手続きとしては定款の作成、資本金の支払い、登記の順に進めていきます。
少し複雑な事務処理が多いのですが、最近では必要書類の作成を手助けしてくれるサービスも増えていますから、気になる方はぜひ調べてみてください。
法人化したほうがいい場合
まず始めに法人化することのメリットとデメリットを挙げておきます。
■メリット
- 所得によっては個人事業主よりも税負担が軽い
- 社会的信用が高まる
- 給与所得控除が使える
■デメリット
- 所得が低ければ個人事業主よりも税負担が重い
- 赤字でも法人住民税の均等割負担がある
- 設立時に費用がかかる
- 申請手続きが難解
- 複式簿記が必要になる
- 社会保険加入義務がある
税金に関して
さて、気になる税金に関してですが、個人事業主に支払い義務があるのは「所得税」「住民税」「消費税」「個人事業税」の4種類となり、法人が収めるべき税金は「法人税」「法人住民税」「法人事業税」「地方法人特別税」「消費税」「固定資産税」と最低6つになります。
法人の方が支払う税金の種類が多いのでデメリットに見えがちですが、所得の規模次第では法人の方が少なくなります。その影響として特に大きいのは「所得税」と「法人税」の違いによるものです。
個人事業主の所得税
個人事業主として副業の売上が上がり利益が増えてくると、所得に応じた所得や住民税が課せられます。
所得税は額に応じた累進課税制度となっていますから、所得が大きくなるほど所得税も高くなります。
課税される所得金額 | 税率 |
---|---|
195万円以下 | 5% |
195万円以上330万円以下 | 10% |
330万円以上695万円以下 | 20% |
695万円以上900万円以下 | 23% |
900万円以上1,800万円以下 | 33% |
1,800万円以上4,000万円以下 | 40% |
4,000万円以上 | 45% |
これにさらに住民税を合算しますから、最高税率は55%にも上るケースがあります。
利益の半分以上が税金によって支払い義務が生じてしまいますね。
法人は法人税
法人の場合ですと、法人税と呼ばれる税率がほぼ一律の税金がかかってきます。税率は800万以下で15%、800万以上で23.4%となっています。
ですから、法人化した方が税率的に有利になる損益の分岐点はおおよそ500万程度であり、かつ今後も売上を維持する自信があるか、拡大の目途が立っているのであれば視野に入れるべきかもしれません。
次に所得税以外のメリットとデメリットを見ていきたいと思います。
法人住民税負担
上記デメリットの1つ、法人住民税ですが、個人事業主なら赤字であれば所得税も住民税も課税されませんが、法人の場合、法人住民税は均等割として年間7万円の支払い義務が生じます。
社会保険加入義務
法人化すると、社長が1人だけの会社であっても役員報酬として支給される際に社会保険への加入が義務付けられています。
(個人事業主は従業員が5名以下であれば加入は任意になります)
計上可能な経費が多い
個人事業主として出費を経費と見なすことが出来るのは
- 消耗品費用
- 旅費交通費
- 接待交際費
- 水道光熱費
- その他
一方法人の場合だと、上記の経費に加えさらに
- 給料
- 保険料
- 住宅費
- 日当
なども経費として認められています。
給与所得控除
上記の経費に関する中で、法人には「給料」が含まれていますが、法人化の節税においては代表的なものになります。
個人事業主であれば収入の名目は事業所得に分類されますが、給与所得控除とは、収入を得るためにかかった経費を認め控除対象とすることが可能です。
これは会社員などの給与所得者に対して有効となる制度ですが、社長にも概算経費として認められます。
つまり、自分の給料を利益ではなく費用として計上することで課税対象となる所得を下げることができるんです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
こうしてみると法人化にはデメリットの方が多く見えてしまいがちですが、利益を追求することはもちろん、一番大変なのは各種手続きや申請、契約などの事務処理になるでしょう。
そもそも法人を設立するための法的手続きに司法書士や行政書士などの専門家を利用すると30万円近くの費用が掛かりますし、税務手続きの複雑さは個人事業主の比ではありませんから、税理士さんに依頼する必要があります。
とはいえ、
順調に利益が増え、税金に悩まされているなら法人化には必ずメリットがあります。
モチベーションアップにもつながりますし、さらに売上をあげていける自信があるのであればぜひ挑戦してみてほしいと思います。
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