【老後の不安】60代シニアからの副業を考える
最終更新日:2018年8月14日
長い間賢明に本業に勤しみ、定年ゴールも見えてきた。
しかしリタイア後の生活を思うとそれほど余裕のある貯蓄もなく、悠々自適とはいかないだろう、
生活レベルは落としたくないが、体力もついてこないだろうし突然の病気は怖い。
とはいえ平均寿命は年々伸びており、思ったより長い時間をリスクなく少しでも自由な生活を送るために、60歳からの副業を考えてみませんか?
老後
定年退職後に余裕ある生活を送るために必要な貯蓄は3000万と言われていますが、この計算は夫婦2人で65歳から25年、90歳まで毎月35万使うこと前提としています。
もちろんもっと切り詰めて、アルバイトなどをするのであればここまで貯金する必要はありません。ただ、病気やケガなどイレギュラーが発生するリスクを鑑みると当然蓄えは多いに越したことはないでしょう。また、医療技術の発展により90歳以上の人生を過ごすことは十分に考えられるのです。
とはいえ副業と言っても何から取り掛かればよいか解らない。資産形成という言葉には興味があるけど、不用意に投資を始めて今ある大事な資産が減るリスクも怖い。
そんな不安を解消するために、現状の把握と今後の見通しを立てた上でどういった選択肢があるのか。一緒に考えてみましょう。
まずは現状の把握から
リタイア後の生活と収入についてまずは現状を明らかにしてみましょう。
基本的な収入としては
・退職金
・公的年金
厚生年金:月額14.7万円
国民年金:月額5.5万円
・個人年金
定年リタイア後に受け取れる収入はほぼ上記3つが該当します。
※年金は男性で「昭和36年4月2日以降生まれ」女性は「昭和41年4月2日以降生まれ」の方は65歳まで受け取ることが出来ません。
次に、老後にかかる生活費の「最低日常生活費」は夫婦2人で、平均22万と言われています。
ここで、"65歳から90歳までの25年間"を毎月22万円で生活した場合、
22万 × 12ヵ月 × 25年 = 6,600万円 となります。
ご自身の毎月の収入予測と比較してみていかがでしょうか。
尚、上記の年金支給額は現在までの制度における計算ですから、今後はさらに少なくなっている可能性があります。
第二の人生と呼ばれる「老後」ですが、数世代前のような手厚い退職金や年金を当てにできる時代ではありません。
再雇用制度
現在日本は法律により原則65歳までの雇用が義務付けられていますが、定年後の社員の希望により「勤務延長制度」と「再雇用制度」が設けられています。これは平成25年4月に改正された「高年齢者雇用安定法」において定められました。
「勤務延長制度」は定年に達したあとも退職させることなく、継続して雇用することができる制度です。「再雇用制度」は定年後に一度退職した後に、新たに雇用契約を結ぶことのできる制度になります。
定年後に別の勤務先を探すより、今勤めている会社が良ければ今のうちに担当者に詳細を確認しておくようにしましょう。
子会社や関連会社などのグループ会社への雇用や、雇用形態をパートタイムにしてもらうことも可能ですが、賃金は下がってしまうケースもありますからトラブルになってしまう場合が多いのです。
副業
こうした危機感を持っている方は、すでに副業を始めとした資産形成を始めていることでしょう。精神的、体力的な将来の不安がありますから、無理せずに安定的な収入を見込めるようなものが人気です。
タクシードライバー
意外と人気なのが副業としての「タクシードライバー」。タクシードライバーはほとんどが完全歩合制でノルマもありません。基本的にはタクシー会社と売上を折半する形が多く、1日10時間程度のんびりと車の中で過ごしながらで平均的に4万円程度稼げるので、手取りは2万円程になります。
人間関係の摩擦もなく、時間も自由に使えるためストレスもありません。営業のための「普通二種免許」もタクシー会社に入社後に取らせてもらえることが多く、誰にでもすぐに始められることが魅力です。
物販販売
若年層に比べ、今のシニア層はモノを持つ時代を生きてきましたから、不要になってしまったアクセサリやステーショナリー雑貨、スポーツ用品、カメラや小物家電などを販売することができるでしょう。
インターネットを使えば、そうした需要に素早くアクセスできますし、空き時間で誰でも簡単に取り組みことが可能です。
もしくは値落ちしてしまった商品を探して高く転売したり、自分で制作した工芸品や芸術作品を公開し、ファンを獲得する方法も可能でしょう。
パソコンやスマートフォン、インターネットに慣れていない人も定年後に増える"時間"を考えれば、新しいことにチャレンジすることは日々を有意義なものにしてくれるはずです。また、シニア向けのパソコンスクールやセミナーなども最近では増えてきておりますから、本職以外での人脈形成にも役立つことでしょう。
シェアリングエコノミー
今となっては持て余してしまっている土地や車、部屋などがあればインターネットを使ってそれを必要としている人に貸し出すことが出来ます。
こうしたシェアするサービスをシェリングエコノミーと呼び、遊休資産を有効活用して新たな経済圏が拡大しているのが現在の潮流です。
中には、スキルやノウハウを人に教えることで収入を得ることが出来ますし、そうしたニーズを仲介する場はインターネット上に溢れています。
植栽・飼育
盆栽や花、コケなどの植物を育て、販売する副業もあります。
芸術的価値が付くような美しいものであれば、高額で取引されたり品評会や教室なども各地で開催されていますから、興味があれば、覗いてみることをオススメします。
せわしない日常から離れ、生き物が成長する静かな時間に触れることは心と体を癒してくれることでしょう。
中には昆虫類や魚類などを売買するような市場や、ペットシッターとして飼い主が旅行中のペットを預かったりするような仕事もあります。
投資
長いこと企業の経済活動に携わってきた経験を活かして資産運用を始めてみるのはいかがでしょうか。
株式などの金融商品から不動産に至るまで、初期費用は必要ですが、しっかりと勉強した上で臨めば体力的な消費を伴わずに安定した利益を得ることが出来るでしょう。
できる限りリスクを減らすために自発的に学び、書籍やセミナーへの参加は怠ってはいけません。せっかくの貯蓄を減らしてしまっては元も子もないですから、
慎重に取り組むようにしてください。
しかし、今は銀行に預けているだけでお金が減っていくとも言われている時代ですから、資産は眠らせず、動いてもらうことによって増やすことを目指しましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
出生率が下がり、世代別に見た人口は逆ピラミッド型になりつつある日本は超高齢社会に突入します。
若い働き手が不足し、人手不足はシニア層にまで波及してくるでしょう。体力はもちろん大切ですが、長いこと汗水垂らして賢明に働いてきたからこそ、定年後はリタイヤして、より自由な時間を楽しめるよう今のうちから計画しておくといいかもしれません。