新世代の副業【サイドハッスル】をご存知でしょうか?
最終更新日:2018年10月4日
皆様はSide Hustle(サイドハッスル)という言葉をご存知でしょうか?
サイドハッスルとは、近年欧米諸国の特にミレニアム世代において活発になっている新しい副業のスタイルのことを指しています。
次世代の副業とも呼ばれ、同義語として「Side job(サイドジョブ)」がありますが、複業や兼業などと同じように使われています。ただしサイドハッスルには投資や転売、アルバイトやパートといった副収入を得る業態ではなく、趣味の延長線上で"楽しく頑張るための"新しい自分のアイデンティティといった意味合いがあります。
サイドハッスル
俗に言うミレニアム世代とは、2000年台に社会人になる世代のことを指しており、1980年から2000年初頭の間に生まれた人のことになります。
この世代の日本人の特徴として、バブル崩壊後の景気低迷期を経験した両親を持つことから消費行動に消極的で、お金に対する価値観が比較的保守的であると言われています。また、急激なインターネットの普及とともに成長してきたためデジタルネイティブ世代とも呼ばれ、スマートフォンやSNSに慣れ親しみ、個人主義的なマインドとその影響力の強さを肌で感じてきたといった特徴があります。
そんなミレニアム世代の中で盛り上がりを見せているサイドハッスルは趣味や特技、情熱を注げるものに「ハッスル(頑張る)」することで自分の価値を高め、できれば利益にしたいといった考えがベースになっています。
収入以外の目的
自分の好きなことを突き詰めることで得られるリターンはお金だけではありません。
それ以上の充実感であったり経験、人との繋がりや達成感を求め"お金"といった物質的な対価よりも追求することのステータスやスタイル、肩書に重きがあり、そんな自分に満足を感じるようなアイデンティティがあります。
人一倍強いと言われるミレニアム世代が求める承認欲求を満たすための1つの手法として、サイドハッスルがあると考えてもいいかもしれません。
生まれた頃から終身雇用の概念を知らず、両親からは貯蓄や節約の大切さを口酸っぱく刷り込まれているためか無駄な浪費はせず、将来に向けた堅実なライフプランを描いているとも言えるでしょう。
サイドハッスルの例
さて、ではそんなミレニアム世代が熱心に取り組むサイドハッスルにはどんなものがあるのでしょうか。
物理的な欲求よりも経験やステータスを重んじる彼らは、ただ闇雲に利益を追うことよりライフスタイルの1つとして副業を楽しんでいます。
・ある会社員の男性は、週末に仲間と共にキッチンカーを使った移動カフェを開催しています。利益はまだほとんどありませんが、こだわりのコーヒーと人との繋がりを大切に楽しく取り組んでいます。
・広告代理店に勤めるとある女性は、趣味である陶芸作品をインターネットで販売することを始めました。SNSを駆使して制作工程を公開することで"教えてほしい"というニーズも増えてきたそうです。
・本業でデザイナーを務める傍ら、本業ではできない自己表現を思う存分発揮する男性もいます。音楽イベントのフライヤーやステッカー、Tシャツのデザインを格安で請け負っているそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
こうした世代より前の価値観からするとまるで遊びのような活動ではありますが、誰かに管理されながら同じ作業を繰り返し行うような仕事は今後のAIを中心としてテクノロジーの発展によって淘汰されていくでしょう。
その時に、より個人の能力やブランドに価値がつき新しい仕事としてイノベーションを起こしていくのかもしれません。
1つの会社に依存してリスクを抱えながら生きるよりも、テクノロジーを使って世界に自分自身を発信していくことに慣れている彼らは、サイドハッスルという形で楽しく有意義なビジネスをスタートさせているのです。