【企業インタビュー】これぞ「フリマ系」スキルシェア!?株式会社タイムチケット
最終更新日:2021年11月10日
こんにちは。
副業アカデミーの谷口です。
昨年12月、コロナ禍で世界的に経済の先行きが不透明と言われる中、驚くべき発表がなされました。
日本国内におけるとある領域の経済規模が2兆円を超え、2030年度には14兆円規模まで拡大する可能性があるという内容です。
その領域とは「シェアリングエコノミー」です。
シェアリングエコノミーとは
シェアリングエコノミーと聞いて、なんとなくのイメージは出来るものの、その定義を明確に述べられる人は筆者も含めて少ないのではないでしょうか。
日本シェアリングエコノミー協会によると、シェアリングエコノミーとは
“インターネット上のプラットフォームを介して個人間でシェア(賃借や売買や提供)をしていく新しい経済の動きです。シェアリングエコノミーは、おもに、場所・乗り物・モノ・スキル・お金の5つに分類されます。”
とされています。
中でも「働き方改革」の推進に伴ってそのサービスが増えているのがスキルシェアの分野です。いわゆるクラウドソーシングもこの領域に当てはまります。
そんなスキルシェアのサービスでは一般的に、例えば「ロゴの作成」や「記事の執筆」といった成果物に対し報酬が支払われるものが一般的でした。
しかし最近では「◯分◯円」といった時間に対して報酬が発生するものも登場し、これまで以上に様々なスキルが提供されるようになってきています。
今回は時間型のスキルシェアサービス「タイムチケット」を運営している株式会社タイムチケットの中山かおりさんにお話を伺いました。
タイムチケットについて
今回ご紹介するタイムチケットは「個人が気軽に自分の時間を売買できるサービス」。
これまでに50,000枚以上のチケットが作られていますが、一番の特徴は「時間」という形のないものを、自分のサービスとして気軽に売れるという自由度の高さです。
フリマで商品を売買するように、アイデア次第で様々な「スキル」や「好きなこと」に自分で値段をつけて、気軽に売買することができます。
何よりも魅力的なのは「自由度」
実際にタイムチケットのアプリを開いてみると、そこにはWebサイト制作やライティング、コンサルティングといったビジネス色の強いものから、恋愛、悩み、ゲームといった趣味に近いものまで、実に多種多様なジャンルのチケットが掲載されています。
これだけでも一般的なクラウドソーシングとは一線を画すサービスなのだということがわかりますが、中山さんにお話しを伺う中で、タイムチケットの最大の魅力は「自由度」にあることがわかりました。
「一般的なスキルシェアのプラットフォームはフリーランスの方がお仕事の受注に活用することも多いですし、『何らかのスキルや資格を活用する場』として捉えられていることが多いと思います。
もちろんタイムチケットにもそういった方向性で利用している方はいらっしゃいますし、大歓迎なんですが、タイムチケットが他のプラットフォームと異なるのは、スキルや資格はもちろん、『経験』すら無いことでもチケットとして売り出すことができる自由度高さにあります。
これは『いろいろな人にスポットライトを当てたい』という想いがサービスの根底にあるからで、その手軽さから『フリマ系スキルシェア』というような表現でご紹介いただいたこともありました。」
なるほど、「フリマ系」と聞くと、確かにお手軽さや自由さのイメージが先行しますよね。
「出品のハードルが下がったことでユニークなチケットも増えていますし、おかげさまで登録者数も40万人を超えました。
また、『1億総活躍社会』や『働き方改革』も手伝って、子育てのスキマ時間を活用して何かしたいという主婦の方や、定年を迎えた人など老若男女問わず全方位的に利用者さんが増えています。
もちろん現役世代の人にも多く利用されていて、中には『アフター5を使って、自分の好きなことでお金がもらえるのが刺激的で楽しい』といったご意見もいただいています。
成果物型のクラウドソーシングだとなかなかチャレンジしにくいという人でも、30分であれば『とりあえず出してみて、だめならやめよう』ということも気軽にできますからね。」
出品やその停止まで手軽にできるというのは、ますます「フリマ系」という言葉がピッタリのプラットフォームですね。
タイムチケットの「中の人」が教える、チケット販売数TOP3!
ここで、中山さんがタイムチケットで発行されているチケットのうち、発行数が多いジャンルのランキングTOP3を教えてくれました。
「今回は2020年10月1日〜2021年1月31日期間のランキングを参考にお話ししますが、通年で人気カテゴリに大きな変動はありません。
では、第3位から発表します。第3位は恋愛/婚活です。
実はタイムチケットはツヴァイ(結婚相手紹介サービスの株式会社ツヴァイ)と協業をしていて、タイムチケットの人気講師がツヴァイでプライベートセミナーを開催しています。
利用者のコア層が20代後半から30代の方なので、ニーズも多いんだと思います。
中には、マッチングアプリ用のプロフィール写真撮影と恋愛コンサルをセットにして出品している方も多いですね。」
なるほど、ユーザー層にマッチしたサービスということですね。
「続いて第2位は、お金/副業です。こちらは副業コンサルティングやノウハウをまとめたマニュアルなど、様々なチケットが出品されています。」
単純に副業で収入を得るために使うだけでなく、そのノウハウを売るための場としても使われているんですね。
コロナ禍ということもありますから、利用者さんの興味関心も高まっているんでしょう。
「そして、1位は写真撮影です。2020年の緊急事態宣言発令時には件数が大きく落ち込みましたが、現在は以前の水準まで戻っています。
タイムチケットのサービスには、販売者と購入者間の取引に関することはメッセージ機能を使って会話していただけます。
写真の納品はクラウドストレージなどを使って撮影した写真をお渡しするケースが多いですが、最近は購入者自身のスマホで写真を撮るというサービスも増えてきています。
サービス購入者自身のスマホで撮影するなら、撮ったその場で写真を確認できますし、納品もその場で完結出来ますからね。
中には風景写真カメラマンの方が、タイムチケットでポートレートを撮っているなんていうこともあるんです。
実は私もビジネスメールのアカウントなどで使用するプロフィール写真を撮って貰ったことがあるんですけど、すごく素敵な写真を安価で撮っていただきました。
写真を撮ってもらう経験は記念写真しか経験がなかったのですが、概念が変わりました。」
スマホやSNSが普及したこともあって、やはり写真は人気が高いんですね。
筆者もビジネスチャットなどのツールを使うことが増えてきたんですが、そうすると困るのがプロフィール写真。
プライベートな写真はふざけているものが多いので(笑)、いつも何を設定するのかで困ります。
そういう時の為の写真を気軽に撮ってもらえるならありがたいですよね。
安心の一つの指標「ゴールド認証メンバー」
こうしたサービスを利用するうえで一つの懸念材料になるのが、販売者と購入者でのトラブルですが、タイムチケットはどんな対策を講じているんでしょうか?
「もちろん、出品者さんが何を出品するのかは自己管理ですし、購入者さんも自己責任で購入していただくというのが原則ですが、一つの指標として『ゴールド認証メンバー』というものがあります。
これは出品者が運営側に面談の申込をして、運営が面談を行った上で認証する仕組みになっています。
単純に商品の善し悪しというよりは、その方の人となりやホスピタリティにも目を向けていて、買い手の安心はもちろん、出品者さんが正しく評価される為の仕組みになるよう心がけています。」
面談まで行っているというのは驚きです。しかし、なぜそこまでの手間暇をかけるのでしょうか?
「個人間取引であるため、購入者の方がまず最初に心配されることは、『どのような人が取引相手なのか』また、『満足できるサービスを受けることができるのか』、この2点です。
この購入者の不安を取り除くお手伝いをすべく運営が面談を行い、ホスピタリティや役務内容を確認できたチケットには、『みなさまにおすすめするチケット』として表示させる仕組みを導入しています。」
まとめ
ということで、今回は株式会社タイムチケットの中山かおりさんにスキルシェアサービス「タイムチケット」についてお話を伺いました。
お話しの中で「フリマ系」という表現が出てきましたが、筆者個人としては「SNS」にも似たような感覚で利用できるサービスだなと感じました。
出品者と購入者の距離がとても近く、例えば友だちの引越しを手伝ってあげるようなイメージで自身の時間を提供して収入が得られるというのは画期的です。
「1億総活躍社会」や「働き方改革」にも後押しされ、今後もより多様なニーズを取り込んで、独自の「面白さ」を持ったスキルシェアサービスになっていくのではないかと思います。
タイムチケットはお手持ちのスマートフォンにアプリをインストールすることで、簡単に種品や購入ができるようになっています。
ご興味がある方はタイムチケットのウェブサイトをチェックしてみてくださいね。
それでは、また。