「契約社員」は副業をしても問題ないの?
最終更新日:2018年8月16日
「契約社員」や「派遣社員」をされている方の中には様々な個人的な理由があるかと思います。
ライフスタイルによっては契約社員が向いている場合もありますし、正社員よりも義務感は重くないでしょう。
ただ、将来の不安から、もう少し収入を上げたいから、と副業を検討している方もいることと思います。
では「契約社員」や「派遣社員」は副業をしても良いでしょうか?
副業に関する法律
憲法上では22条第1項にて「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転および職業選択の自由を有する」と「公共の福祉に反しない限り」という条件つきで「職業選択の自由」を認めています。
また2018年1月には、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表しており、これまでの「モデル就業規則」から「副業禁止」の規定が削除されることになりました。
つまり法律的に「副業」をすることは問題ありません。
では企業が副業を禁止することは憲法違反ではないかと思うかもしれませんが、そうではありません。憲法は国家と国民との関係を規定する規範ですから、会社と社員の関係にまで範囲が及ぶことはないのです。ですから、企業は「就業規則」や「社内規定」として、社員との取り決めを設けています。
とはいえ、会社が規定で社員を規制できる範囲は就業時間内に限られていますから、基本的には就業時間以外で何をしようと問題はありません。
ただし、会社の秩序や評判、業務に支障が出るような行動は禁止することが可能ですから、副業禁止の正当性が認められてしまえば「懲戒解雇」もあり得ます。
企業が副業を禁止する理由として主に以下になります。
- 副業への疲労によって本業に支障をきたし、会社にとって不利益が発生する可能性
- 競合企業で仕事をすることで、情報漏洩やセキュリティへのリスクが上がる
- 副業先によって会社の評判や信頼に影響がある
逆を言えば、上記に抵触しない範囲で副業をしていた場合「副業禁止」を破っていたことで訴えられたとしても、法律的には有利に働くことでしょう。
就業規則/社内規定
政府主導の「働き方改革」により少しづつ大企業においても「副業解禁」する動きが見られるようになってきました。
とはいえ、まだまだ「副業」には懐疑的な面が多いのも事実。
もし「契約社員/派遣社員」の方が副業をしたいと思ったら、まずは勤め先企業の「就業規則」を確認することになりますが、この時その会社が「契約社員」に対する「契約社員就業規則」を定めているのか、もしくは「正社員」と同じ規則が適用されるのかを確認するようにしましょう。
「就業規則」は全ての雇用者にいつでも閲覧可能な状態にしておかなければいけないと法律的に義務化されているものですから、基本的にはすぐに確認できるはずです。
または、入社時に締結した「労働契約書」においても副業禁止の規定があるかを確認することが出来ます。
もし見当たらず、すでに副業を始めていたとしても、前述した通り会社側に運営上の不利益をもたらしていなければ、例えバレても解雇などを施行することはできません。
ただし、法律的にはそうでも、会社が定める規定を守っていないのであれば、懲戒解雇や契約打ち切りになる可能性は十分に考えられますから、なるべくは一度会社側に相談してみるのがいいでしょう。
バレるのか?
誤って口を全てらせてしまったり、誰かに副業をしているところを偶然見られてしまってバレるということはありますが、企業側が副業を疑うケースは契約社員として働いている会社で「年末調整」を行い「住民税」がその会社での収入を超えてしまった時になります。
それを防ぐためにも、確定申告をすることで住民税と収入の棲み分けをするようにしておくことでバレる可能性は低くなります。
確定申告をしましょう
本業以外での1年の給与所得が20万円を超えた場合は「確定申告」をしなければいけません。
バレないだろうと思っても、銀行口座や送金履歴を調べることで簡単にバレてしまいます。
すでに副業をしていてバレていないと思っていても、金額が少ないために処理が後回しになっているだけで後々で必ず通知が来ることでしょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
正社員と比べて不安定な契約社員や派遣社員ですが、逆にしがらみが少なく比較的自由が利く働き方ですから、副業をして収入をアップさせたいと思う方は多いでしょう。
最近では特別なスキルがなくても誰でも簡単に始められるような副業が増えてきています。
また社会全体がそうした方向へ向いているのも事実。
ぜひ自分に合う副業のスタイルを見つけて頑張ってみて欲しいと思います。