副業禁止は合法?違法?会社側のリスクを知って安全に副収入を得る方法
最終更新日:2022年5月29日
働き方改革が推進や新型コロナウイルスの感染拡大などもあり、昨今では働き方が多様化し、副業で収入を増やしたいと考える人も増えてきています。
ですが、現状では副業を禁止又は許可制にしている会社がまだまが多いため、中には無断で副業に取り組んで「会社にバレてしまうのではないか」思っている人もいるかもしれません。
残念ながら、副業が100%バレない方法はありません。
この記事では、副業禁止に法的な根拠はあるのかということや、副業が会社にバレる理由を解説していきます。
会社に副業がバレにくくする方法は「副業が会社にバレない方法とは?バレにくい副業も解説」の記事が参考になりますので、あとで目を通してみてください。
就業規則の「副業禁止」に法的拘束力はない
就業規則で禁止されているにも関わらず副業をしてしまうと、懲戒処分の対象になる可能性があります。
しかし、就業規則で禁止されていたとしても、法律上では職業選択の自由が規定されており、終業後のプライベートな時間をどう過ごすかは個人の自由です。
日本国憲法 第二十二条には、
“何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。”
と記述されています。
そのため、副業を禁止している会社で副業をした場合、たとえ懲戒処分を受けたとしても、法律で処罰されることはありません。
ただし公務員の副業は原則禁止
しかし、あなたが公務員だった場合は事情が変わります。
公務員は国家公務員法や地方公務員法によって原則として副業が認められていません。
公務員の副業に関するルールは、「国家公務員法」と「地方公務員法」がその根拠です。
内容は「副業を禁止する」というものではなく、「営利目的での務めまたは私企業の経営の禁止」を示しています。
公務員は、国家・国民・市民のために働く「奉仕者」としての使命を担っており、公務員の副業が法律で規制されている理由は「信頼を失ってはいけない存在」であるからです。
具体的には、
国家公務員法第103条(私企業からの隔離)において
“職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。”
という記述が、
また国家公務員法第104条(他の事業又は事務の関与制限)では
“職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。”
とされています。
また地方公務員法第38条(営利企業等の従事制限)にも
“職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。”
と明記されており、また、上記の規定とは別に、副業禁止を裏付ける「3原則」なる法規定もあり、それが国家公務員法の第99~101条と地方公務員法第33~35条のいずれにも同様の規定が盛り込まれています。
公務員で完全に禁止されている副業は営利目的の仕事です。
例えば、アルバイトやパートやもちろん、自営業は禁じられています。
公務員の副業解禁の動きについて
しかし、ここ数年は一定の条件下で副業を解禁する自治体も出始めています。
政府が推進する「働き方改革」の影響もあり、民間企業では副業を解禁する会社も珍しくはなくなりましたが、それに呼応して変化の波が公務員の世界にも押し寄せ、最近では神戸市、奈良県生駒市が副業を解禁。
「公務員も副業できる時代」の到来を予感させるニュースとして話題を集めました。
神戸市は、職員のNPO団体での活動を認めています。
その目的は、「外部での経験を職務遂行に生かしてもらうため」とされており、地方自治体による画期的な取り組みとして注目されています。
また、2018年6月15日には「国家公務員の兼業・副業も公益活動に限り認める」という方針を「未来投資戦略2018」のなかで打ち出されています。
今後はますます公務員の副業解禁が加速するかもしれません。
副業を禁止している会社が多い理由
2018年以降、政府は「副業解禁」を大きく掲げ、企業に対して社員の副業をできるだけ認めるよう働きかけています。
しかし多くの企業では、いまだに副業を禁止しています。
そもそもなぜ企業は、社員の副業を禁止しようとするのでしょうか?
主な理由として次の4つが示されています。
1.社員の長時間労働を助長してしまうから
副業は本業以外の時間に行うので、過度な副業を許すと、社員の長時間労働を助長することにつながってしまいます。
2.労働時間の管理・把握が困難だから
労働基準法第38条1項では、
“労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。”
と規定されています。
複数の企業で働く場合、全ての企業で就労する時間を合わせ、1日8時間を超える部分について、企業は割増賃金の支払いをする義務があります。
それゆえ副業を認めると、会社が労働者の労働時間の管理・把握することが複雑かつ困難になる可能性があるわけです。
3.情報漏えいのリスクがあるから
副業での勤務先が、本業と同じ業種・業界だった場合、本業の重要な機密情報が流出した場合のリスクやダメージは大きくなります。
また同じ業種・業界ではなかったとしても、パソコンに保存された機密情報が、副業の仕事をしている最中に外部へ漏れてしまう可能性もあります。
4.副業先が競業会社だった場合、利益相反につながるから
同じ業種・業界の企業で副業を始めれば、副業で成果を出すことが、本業に対して不利益を生じさせる可能性もあります。
このような状態を「利益相反」と言い、企業は自社の利益を守るためにも利益相反に当たる副業を制限することになるのです。
上記以外にも、
- 労災が起きた場合、本業と副業のどちらが責任を負うべきか分かりにくくなる
- 副業先の企業がヘッドハンティングをすると、本業の会社にとって欠かせない重要人材が流出してしまう可能性がある。
といった懸念材料もあります。
なぜ副業していることが会社にバレるのか
会社員の場合、原則として毎月の給料から「住民税」が天引きされます。
「住民税」とは、都道府県や市町村の地方自治体が行政サービスを提供するために、住民から徴収する税金のことです。
住民税の納税額は前年度の所得によって決まります。
副業所得が年間20万円を超えた場合は確定申告を行う必要があり、確定申告をすると、本業と副業の収入を合算した分の住民税納付書が会社に通知されるため、住民税の金額が不自然に高いと会社の経理などに「副業をしているのでは?」と不審に思われる可能性があるのです。
経理からわざわざ聞かれる可能性は低いかもしれませんが、もし不安な場合は住民税の納付を「特別徴収」ではなく「普通徴収」を選択すれば、本業と副業とで納付書が分けて通知されるためバレにくくはなります。
普通徴収にすると、副業分は自分で納税することになります。
副業禁止の会社員が安全に副収入を得る方法
もしあなたが副業禁止の会社で働くサラリーマンでも、決してがっかりする必要はありません。
そんな方でも安全に副収入を得る方法はあります。
ここでは代表的な2つの方法を解説します。
1.投資
株式投資やFX、暗号資産(仮想通貨)などの投資は、「資産運用」であり、いわゆる「副業」には該当しません。
売買のタイミングを自動設定することもできるため、日中は取引する時間がない会社員でも本業に支障をきたすことなく取り組むことが可能です。
2.メルカリ
家にある不用品を売却して得た所得は非課税であり、確定申告の必要もありません。
スマホで写真を撮って簡単に出品できるので、空き時間で作業や販売ができます。
ただし転売やハンドメイド作品の販売など、営利目的の利用は「副業」とみなされる可能性が高いので、注意がひつようです。
まとめ
就業規則で副業が禁止されていても、法律的には就業時間外の使い方は個人の自由。
副業している従業員を合理的な理由なく懲戒処分にすることは原則として認められていません。
その一方で、副業がOKの会社でも、本業に支障をきたしたり、会社に損害を与えたりしないことが基本的なルールとされています。
また、もし万が一副業禁止会社で副業をする場合は、住民税の納付方法を給与から天引きされる「特別徴収」ではなく自分で直接納める「普通徴収」にすることで、バレるリスクを下げることも可能です。
しかし、決してそれを推奨するわけではありません。
原則として副業禁止の会社にお勤めの方は、副業に当たらない投資やメルカリでの不用品販売などに留めておいたほうが安心でしょう。
しかし、特に投資の場合は始めるにあたって、それ相応の「リスク」が生じます。
その「リスク」を回避し安心して順調に収入や資産を増やすためには、正しい知識や技術が必要です。
副業アカデミーでは、株式投資、FX、海外投資(CFD取引)、仮想通貨(暗号資産)、投資信託など、様々な投資についての講座をご用意しています。
いずれの講座も現役のトッププレーヤーが講師を務めており、そのノウハウは現在進行系で利益を生み出し続けているものばかりです。
まずは無料の体験会に参加して、そのノウハウの一端に触れるところから始めてみてはいかがでしょうか?