2021.07.09
副業が会社にバレない方法は?バレる原因と住民税「普通徴収」の手順、やってはいけない対策
「副業を始めたいけれど、会社にバレたらどうしよう」と不安に感じていませんか。副業アカデミーの受講生からも、よく寄せられる相談です。
この記事では、副業が会社にバレる主な原因と、住民税の「普通徴収」を使った正しい対策を解説します。あわせて、ネット上で見かける「バレない方法」の中にある、やってはいけない方法についても説明します。
この記事の要点
副業が会社にバレる一番の原因は、住民税の金額です。副業分の住民税が本業の給与から天引きされると、会社が気づくきっかけになります。
副業が給与以外の所得(業務委託・ネット副業など)なら、確定申告で住民税を「自分で納付(普通徴収)」にすることで、会社に通知されにくくなります。アルバイトなどの給与所得は、原則として普通徴収にできません。
申告をしない、家族名義で受け取るといった方法は、脱税などの法的リスクがあるため絶対に避けてください。
100%バレない方法はありません。まずは就業規則を確認し、できれば会社の許可を取るのが最も安全です。
まず確認したいこと:あなたの会社は副業OK?
「バレない方法」を考える前に、勤務先の就業規則で副業がどう扱われているかを確認してください。
厚生労働省は2018年にモデル就業規則を改定し、副業・兼業を原則として認める内容に変えました。同じ年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」もつくられ、副業を認める会社は増えています。禁止ではなく「届出制」や「許可制」になっている会社も多いので、まずは規則を読んでみましょう。
届出や許可で副業ができるなら、バレることを心配する必要はありません。
なお、公務員は法律(国家公務員法・地方公務員法)で副業が制限されています。会社員とは前提が大きく異なるので、この記事の内容はそのまま当てはまりません。必ず所属先のルールを確認してください。
副業が会社にバレる主な原因
副業がバレるきっかけは、大きく「税金の手続き」と「人づて」の2つに分かれます。中でも多いのが、住民税によるものです。
1. 住民税の金額が増えて、会社が気づく
会社員の住民税は、通常「特別徴収」という方法で、会社が毎月の給与から天引きして納めています。そのため、毎年5月ごろ、市区町村から会社に「住民税の決定通知書」が届きます。
副業で所得が増えると、その分の住民税も上乗せされた金額が会社に通知されます。給与の額に対して住民税が明らかに高いと、担当者が「給与以外の所得があるのでは」と気づくきっかけになります。
2. 副業がアルバイト・パート(給与所得)
副業がアルバイトやパートなど、雇用されて給与をもらう働き方の場合は特に注意が必要です。
副業先の会社は、支払った給与を「給与支払報告書」で市区町村に報告します。市区町村は本業と副業の給与を合算して住民税を計算し、原則としてその住民税をまとめて本業の会社の給与から天引きします。後で説明する「普通徴収」を選べないため、給与所得の副業は住民税からバレやすい働き方です。
3. 確定申告・住民税の申告をしていない
「申告しなければバレない」と考える人もいますが、実際は逆です。申告漏れが後から見つかると、税務署や市区町村から連絡が来たり、修正された住民税が会社経由で徴収されたりして、かえって会社に知られるきっかけになります。
副業の所得は、金額にかかわらず正しく申告することが前提です。
4. 同僚や知人に話した・SNSで見られた
税金とは関係なく、人づてで伝わるケースも少なくありません。仲の良い同僚にだけ話したつもりが広まってしまったり、副業用のSNSアカウントや、働いている姿を知人に見られたりすることがあります。
5. 本業と同じ業界で副業している
本業と同じ業界で副業をすると、取引先などを通じて勤務先に伝わることがあります。また、本業と競合する副業は、バレるかどうか以前に、会社とのトラブルの原因になります。
住民税からバレにくくする方法:「普通徴収」を選ぶ
住民税によるバレを防ぐ方法として、副業分の住民税を「普通徴収」にする方法があります。普通徴収にすると、副業分の住民税の納付書が自宅に届き、自分で納めることになります。本業の会社に通知される住民税は本業の分だけになるので、会社が気づくきっかけを減らせます。
普通徴収にできるのは「給与以外の所得」だけ
普通徴収を選べるのは、給与・公的年金以外の所得にかかる住民税です。たとえば、次のような副業が当てはまります。
Webライター・デザイナーなどの業務委託(個人で仕事を請ける形)
ブログ・アフィリエイト、動画配信などのネット副業
ネット物販(せどりなど)
アルバイト・パートなどの給与所得にかかる住民税は、原則として本業の給与から天引き(特別徴収)されます。自分の副業がどちらに当たるかは、契約の形(雇用契約か、業務委託契約か)で確認してください。
確定申告で普通徴収を選ぶ手順
確定申告書の「第二表」を用意します。
下のほうにある「住民税・事業税に関する事項」欄を探します。
「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で、「自分で納付」を選びます。
申告書を提出します(確定申告の期間は、例年2月16日ごろ〜3月15日ごろです)。
e-Tax(国税庁の確定申告書等作成コーナー)で作成する場合も、住民税に関する入力画面で同じ選択ができます。
副業の所得が20万円以下の場合
会社員で、副業などの給与以外の所得が年間20万円以下なら、所得税の確定申告は原則として不要です。ただし、この20万円ルールは所得税だけの話で、住民税には当てはまりません。副業の所得が20万円以下でも、住民税の申告は必要です。
この場合は、お住まいの市区町村に「住民税の申告」をして、その際に副業分を普通徴収にしたいと伝えます。申告の方法は市区町村によって違うので、役所の住民税担当に確認してください。20万円ルールの詳しい内容は「副業の20万円ルールを解説した記事」をご覧ください。
提出後は、市区町村に確認するのが確実
普通徴収を選んでも、自治体の処理の都合で、副業分が特別徴収に含まれて会社に通知されてしまうことがあります。申告後、5月ごろに会社へ通知が届く前に、お住まいの市区町村の住民税担当へ「副業分を普通徴収で申告したので、そのとおりになっているか」を電話などで確認しておくと安心です。
住民税の仕組みと納め方は「「住民税」で副業が会社にバレる理由と納税方法」でも詳しく解説しています。
やってはいけない「バレない方法」
ネット上には、次のような「バレない方法」が紹介されていることがあります。しかし、いずれも法的なリスクがあるため、絶対に避けてください。
申告をしない
必要な確定申告や住民税の申告をしないことは、無申告・申告漏れになります。後から本来の税金に加えて、無申告加算税や延滞税などがかかる可能性があります。前に書いたとおり、申告漏れはかえって会社に知られるきっかけにもなります。
家族など別の名義で報酬を受け取る
自分の仕事の報酬を家族名義で受け取っても、税金の上では実際に稼いだ本人の所得として扱われます。名義を変えて所得を隠すことは、脱税とみなされるおそれがあります。会社に発覚した場合も、単に副業をしていた場合より深刻な問題になりかねません。
現金で受け取って記録を残さない
現金で受け取っても、所得であることに変わりはなく、申告の義務もなくなりません。記録を残さないことは、むしろ正しい申告ができなくなる原因になります。
実態と違う所得区分で申告する
アルバイトなどで給与を受け取っているのに、事業所得や雑所得として申告することはできません。所得区分は、契約や働き方の実態で決まります。
なお、業務委託などの副業の所得が「事業所得」になるか「雑所得」になるかは、2022年分から、取引を記録した帳簿書類を保存しているかどうかが判断の目安になっています。帳簿書類の保存がない場合は、原則として雑所得になります。
副業がバレた場合のリスク
副業をしていること自体は、法律違反ではありません(公務員を除く)。裁判例では、勤務時間外の時間をどう使うかは基本的に労働者の自由であり、会社が副業を制限できるのは、次のような場合に限られると考えられています。
副業のせいで、本業の仕事に支障が出る場合
会社の秘密が漏れる場合
競業によって、会社の利益を害する場合
会社の名誉や信用を傷つける場合
反対に言えば、こうしたケースに当たる副業をしていた場合は、就業規則に基づいて懲戒処分を受ける可能性があります。また、処分にならなくても、会社や上司との信頼関係が損なわれることは避けられません。
副業禁止がどこまで認められるのかは「副業禁止は合法?違法?」で詳しく解説しています。
バレる心配をせずに収入を増やすには
バレないように気をつけながら副業を続けるのは、精神的な負担も大きいものです。次のような方法も検討してみてください。
会社に許可を取る
許可制の会社なら、申請するのがいちばん確実です。「本業に支障が出ない時間で行うこと」「会社と競合しない内容であること」「情報を持ち出さないこと」を具体的に説明すると、許可を得やすくなります。
投資で資産を増やす
株式投資や投資信託などの資産運用は、副業として扱わない会社が多いです。ただし扱いは会社ごとに違うので、就業規則で確認してください。投資には元本割れなどのリスクがあるため、仕組みを学んでから少額で始めることが大切です。詳しくは「投資は副業に該当しない!初心者におすすめの投資とは?」をご覧ください。
不用品を売る
家にある不用品をフリマアプリなどで売ることは、副業というより生活の一部です。生活用品を売って得たお金には、原則として税金がかかりません。ただし、1点30万円を超える貴金属や美術品などは課税の対象です。また、売るために仕入れて販売する「せどり」は事業性があるため、副業として扱われ、申告が必要になります。
よくある質問
Q. 副業は住民税で必ずバレますか?
A. 必ずではありません。副業分の住民税が本業の給与から天引きされると、会社が金額の変化に気づくきっかけになります。副業が給与以外の所得なら、確定申告で住民税を「自分で納付(普通徴収)」にすることで、会社に通知されにくくなります。
Q. 普通徴収にすれば、絶対にバレませんか?
A. 絶対ではありません。自治体の処理によって会社に通知されてしまうことや、人づてで伝わることもあります。申告後に市区町村へ確認をしても、100%防げるわけではありません。
Q. 副業がアルバイトの場合、住民税を普通徴収にできますか?
A. 原則としてできません。アルバイトやパートの給与にかかる住民税は、本業の給与と合算されて、本業の会社の給与から天引き(特別徴収)されるのが原則です。
Q. 副業の所得が20万円以下なら、何も申告しなくていいですか?
A. いいえ。会社員の副業所得が年間20万円以下の場合に不要になるのは、所得税の確定申告だけです。住民税には20万円ルールがないため、お住まいの市区町村に住民税の申告をする必要があります。
Q. 確定申告をしなければ、会社にバレませんか?
A. かえってバレやすくなります。申告漏れが見つかると、税務署や市区町村から連絡が来たり、修正後の住民税が会社経由で徴収されたりすることがあります。加算税などのペナルティがかかる可能性もあります。
Q. 副業の所得は、事業所得と雑所得のどちらになりますか?
A. 2022年分から、取引を記録した帳簿書類を保存しているかどうかが目安になっています。帳簿書類の保存があり、事業といえる規模で行っていれば事業所得、保存がなければ原則として雑所得です。
Q. 投資は副業になりますか?
A. 株式投資や投資信託などの資産運用は、副業として扱わない会社が多いです。ただし、会社によって就業規則の内容が異なるため、必ず自分の会社の規則を確認してください。
Q. 公務員も副業できますか?
A. 公務員は、国家公務員法や地方公務員法で副業が制限されています。許可が必要な場合や、そもそも認められない場合があるので、必ず所属先のルールを確認してください。
Q. 副業が会社にバレたら、クビになりますか?
A. 副業をしていただけで、直ちに解雇が認められるとは限りません。裁判例では、会社が副業を制限できるのは、本業への支障、秘密の漏えい、競業、会社の信用を傷つける行為などがある場合に限られると考えられています。ただし、こうしたケースに当たれば、懲戒処分を受ける可能性があります。
まとめ
副業が会社にバレる一番の原因は住民税です。副業が給与以外の所得なら、確定申告で住民税を「自分で納付(普通徴収)」にすることで、会社に通知されにくくできます。一方で、申告をしない、家族名義で受け取るといった方法は、脱税などのリスクがあるため避けてください。
そして、どんな対策をしても100%バレない方法はありません。いちばん安全なのは、就業規則を確認し、必要なら会社の許可を取ったうえで副業を始めることです。
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