e-taxで電子申告するには?副業収入をスマホで確定申告する手順も解説
最終更新日:2023年1月17日
あなたがもし本業以外で副業をしているのなら、確定申告をする必要があるかもしれません。
「副業しても、バレなきゃいいんでしょ?」と思ってしまう方も少なくないかもしれませんが、現在、国税庁はマイナンバーなどを使用し、個人においても現金の流れなどをすべて把握しているため、必ずバレてしまいます。日本国内に住んでいるのなら、しっかりと税金を納めるようにしましょう。
確定申告の提出方法は税務署の窓口に紙で提出、もしくは郵送で提出する流れが従来の方法でした。
しかし、e-taxの導入により、インターネットで提出する方法が定着しつつあります。
利用者にとっては便利な方法ではありますが、一方で使い勝手や提出方法の分かりにくさを指摘する声があるのも事実です。
そこで今回は、e-taxで電子申告するやり方とスマホを使った確定申告の手順を解説していきます。
まだ経験が無い方にとってはわかりにくくネガティブなイメージを持ってしまいがちですが、ポイントを理解してしまえば、それほど難しいものではありませんので、この機会に覚えて確定申告に備えましょう!
e-Tax(イータックス)とは
e-Taxとは、国税の手続きをインターネットで行えるシステムです。
従来の紙の持参・郵送による提出方法に加えて、インターネットを使って電子データで管轄税務署への提出も可能となり、確定申告における利用者の選択肢の幅が拡がっています。
また、確定申告ソフトなどで作成したデータを活用するとスムーズに手続きを行えて便利です。
e-Taxで作成できる申告書の種類
ここからはe-Taxで作成できる申告書を紹介します。
e-Taxで全ての申告書類が作成できるわけではありませんので注意しましょう。
所得税及び復興特別所得税の確定申告書
所得税とは、1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の合計に課せられる税金です。
この所得税の確定申告書により、所得税額が確定します。
そしてe-Taxで申告を行うことで、社会保険料控除など一部の書類提出を省略できます。
ですが、5年間は税務署から書類提示を求められる場合がありますので捨てずに保管しておきましょう。
青色申告決算書・収支内訳書
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
青色申告には貸借対照表といった具体的な売上や経費を記載した書類があり、この申告決算書を作ることによって収める税金を少なくできる点がメリットです。
一方で白色申告は、青色申告より節税は出来ませんが、簡単に作成できて記載項目が限られている収支内訳書の添付で確定申告ができます。
青色申告決算書・収支内訳書のどちらもe-Taxで作成が可能です。
消費税及び地方消費税の確定申告書
副業などで得た売上の中には消費税が含まれているケースがあります。
この消費税は一時的に預かっているものであり、代わりに自身が納めるべきお金です。
個人事業主の場合、課税売上高が1,000万円を超えると納税義務が生じますが、該当しなければ免税事業者となり支払い義務は生じません。
納税義務のある事業者はe-Taxで消費税の確定申告書を作成し、提出も可能です。
贈与税の申告書
贈与税とは1月1日~12月31日までの1年間に贈与を受けた財産に課せられる税金を指します。
受けた財産が110万円を超えた場合は確定申告が必要となり、110万円未満は非課税です。
贈与を受けた人数に関わらず、合計金額が110万円を超えるか否かによって課税が決まりますので、納税の必要がある際は忘れずに申告を行いましょう。
その他e-Taxでできる手続き
上記4つの書類の更正の請求書・修正申告書の作成ができます。
作成した書類に誤りがある場合はe-Taxで修正し、再度手続きも可能となります。
参考:確定申告書等作成コーナー/e-Tax(国税電子申告・納税システム) - 国税庁
e-Taxと確定申告書等作成コーナーの違いは?
e-Taxではインターネット上で確定申告データを作成できて申請(提出)までできます。
一方で確定申告書等作成コーナーでは国税庁の画面案内から金額を入力するだけで確定申告書を作成できますが、e-Taxと違い提出まではできません。
別途、e-Taxで提出あるいは紙を印刷して送付するなどの作業が必要です。
e-Taxと確定申告書等作成コーナーのどちらでも確定申告書のデータは作成できますので、ご自身が使いやすい方を選ぶと良いでしょう。
e-Taxで確定申告するメリット
管轄税務署への紙での提出と比べ、e-Taxでの確定申告は簡単で早く申告できて利用者にとってメリットがあります。
主に6つに分けてメリットを解説していきます。
自宅で申告手続きを完了できる
まずはインターネット上で全ての手続きが完了することです。
e-Tax以外の方法では税務署へ持参、あるいは郵送するかいずれにしても自宅のみでは完結しません。
また提出や郵送窓口の時間も決まっているため、本業との兼ね合いによっては時間調整が必要ですが、e-Taxでは24時間いつでも受付しています。
副業の収入を確定申告する方は本業終了後に自宅から手続きもできるのでe-Taxの活用をおすすめします。
※医療費の領収書などe-Taxソフト等で作成できない書類は、郵送等で所轄税務署等に提出が必要になる場合があります。
期限中は確定申告書の修正ができる
e-Taxでは確定申告のデータは3月15日までの期限内であれば修正が可能です。
1年に1回の作業で、特に不慣れな方は細かい数字の入力間違いや漏れが発生しやすくなります。
慣れていない内は修正が可能なe-Taxの利用が無難でしょう。
修正すると既に提出したデータが上書きされるため、別途訂正した報告も不要です。
添付書類の省略ができる
e-Taxの申請では紙の確定申告時に提出が必要な添付書類の省略ができます。
添付を省略できる主な書類は以下の通りです。
・給与所得者の源泉徴収票
・社会保険料控除の証明書
・生命保険料控除の証明書
・地震保険料控除の証明書
・医療費控除の領収書
・寄付金控除の証明書
・雑損控除の証明書
・小規模企業共済等掛金控除の証明書
・特定口座年間取引報告書
※いずれの書類も税務署から提示の依頼があった際は対応が必須となるため、5年間は保管が必要です。
還付金の確認・処理がスムーズ
還付金とは本来支払うべき税金よりも多く払っている場合に、納めた税金を戻してもらえるお金のことを指します。
紙の確定申告書提出では還付まで1ヶ月〜1ヶ月半かかりますが、e-Taxでの還付申告は通常3週間程度で還付されます。
還付金の処理を早く進めたい方はe-Taxの利用をおすすめします。
期間中は申告書類を24時間送れる
e-Taxの受付期間中は24時間提出が可能です。
下記は令和ものとなりますが、提出年によって変わりますので詳しくは国税庁HPの「e-Taxの受付時間」をご覧ください。
【令和5年1月4日(水曜日)~3月15日(水曜日)】 | 左記の期間以外 |
全日(土・日・祝日を含む。):24時間 (注)1 1月4日(水曜日)は8時30分から受け付けています。 (注)2 毎週月曜日0時~8時30分のメンテナンス時間を除きます。ただし、3月13日(月曜日)は終日受け付けています。 |
火曜日~金曜日(休祝日及び12月29日~1月3日を除く。):24時間 (注)休祝日の翌稼働日は8時30分から受け付けています。 月・土・日・休祝日:8時30分~24時 (注)メンテナンス日を除きます。メンテナンス日については四半期ごとにe-Tax ホームページに掲載しております。 |
確定申告ソフトで簡単に申告できる
「やよいの青色申告」や「freee」などの確定申告ソフトで作ったデータはe-Taxで取り込みが可能です。
既に作成済のデータを用いてすぐに申告ができるので、確定申告ソフトを利用している方はe-Taxによる申告で手間を省けます。
e-Taxで電子申告するデメリット
確定申告においてメリットの多いe-Taxですが、馴染みのない方にはデメリットもあります。
主に事前準備を必要とするデメリットについて3つ紹介していきます。
ICカードリーダーの購入が必要
1つ目はICカードリーダーの用意が必要なことです。
e-Taxではマイナンバーカードでの本人認証が必要となり、ICカードリーダーでチップの読み込みを行います。
e-Taxで申告予定の方は2,000~5,000円程で購入できますので、事前に準備しましょう。
事前に申請手続きが必要
e-Taxで申告するには事前の申請手続きが必要です。
手間はかかりますが、後々の申告を考えて早めに手続きしておきましょう。
下記が手続きの流れとなります。
①電子証明書を取得
②電子申告等開始届出書を税務署へ提出、利用者識別番号を取得
電子証明書の取得については「電子証明書とは(国税庁)」をご覧ください。
申請書類をオンラインで提出する場合は「e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーを利用するに当たって」をご覧ください。
e-Taxソフトのインストールや証明書の登録などが分かりづらい
行政のシステムであるe-Taxは民間システムと異なり、利用者にとってわかりやすいサービスではありません。
事前準備に必要なソフトや用意すべき証明書の手順が難しく使いづらいことを意識しておきましょう。
用意に時間がかかり、確定申告に間に合わなければ本末転倒ですので早めの準備をおすすめします。
e-Taxで電子申告する手順・流れ
従来の書類での提出に慣れている方はe-Taxは馴染みがなく、難しく感じるかもしれません。
しかし、慣れると楽に早く確定申告を行えるのでe-Taxでの申告を検討すると良いでしょう。
ここからはe-Taxでの申告手順を解説していきます。
確定申告ツールだけを使う場合
確定申告ツール(ソフト)に売上や経費などの取引記録を入力し、帳簿や書類を作成します。
クレジットカードや銀行口座を連携させて取引記録を共有すると、簡単に会計帳簿が作れて便利です。
そして、作成した会計帳簿はe-Taxへ送信して申告する流れとなります。
確定申告ソフト単体では申告までは出来ませんのでご注意下さい。
確定申告ツールとe-Taxソフトを併用する場合
e-Taxソフトも併せて使用する際でも、確定申告ソフトで作成したデータを元に申告書の提出が可能です。
またe-Taxでデータの編集も可能なので、後から修正の対応もできます。
ですが、e-Taxは確定申告ソフトに比べ、操作が難解なため手間がかかる可能性があるでしょう。
なるべく確定申告ソフトで漏れや間違いのないよう申告書類の作成をおすすめします。
出来上がった申告書はe-Taxでデータに電子署名し、画面に従ってデータを送信すれば申告完了です。
e-Taxソフトだけを使う場合
e-Taxソフトのみで申告書を作成、電子申告も可能です。
以下の手順で申告を行います。
①利用者識別番号の取得
②電子証明書の取得
③e-Taxソフトのインストール
④申告書作成データの送信
⑤送信結果の確認
詳しくは国税庁HPのご利用の流れをご覧ください。
参考:ご利用の流れ - 国税庁
確定申告等作成コーナーとe-Taxソフトを併用する場合
確定申告書等作成コーナーでは、画面に沿って入力するだけで金額が自動計算されて申告書を作成できます。
また、作成した書類データはe-Taxソフトでデータを取り込めば申告まで完了するので、使いやすい確定申告等作成コーナーで書類を整えて提出のみe-Taxを利用することも可能です。
またe-Taxで電子申告する際の必要準備物は以下の通りです。
<準備物>
・添付書類
・PC or スマートフォン
・ICカードリーダー
・マイナンバーカード
参考:ご利用の流れ - 国税庁
参考:確定申告書等作成コーナー/e-Tax(国税電子申告・納税システム) - 国税庁
副業収入の確定申告は副業収入を得たら確定申告が必要!やり方や提出書類をわかりやすく解説」
で解説しています。
スマホで電子申告する手順・流れ
2019年からはスマートフォンを使ってe-Taxの提出もできるようになり、より簡単に申告しやすい環境になりました。
副業収入などの確定申告をする際は下記の手順に沿ってスマートフォンで申告できます。
①国税庁HPへアクセス
②e-Taxの作成開始をタップ
③IDとパスワードの入力(※事前に税務署で本人確認を行って発行が必要)
④給与所得・医療費控除・寄付金控除の入力
⑤還付金の受け取り方法、氏名・住所の入力
⑥申告内容の確認、データ送信
⑦受付結果の確認、データ保存
※添付書類の郵送が必要な場合があります。
詳しくは下記の「スマホ申告の手引き」をご覧ください。
またマイナンバーと副業バレは【真相解明】マイナンバーで副業がバレる。って本当なの?
で解説しています。
スマホで電子申告する際の注意点
スマホの申告には上記のIDとパスワード方式以外に「マイナンバーカード方式」もあります。
この場合はマイナンバーカードを読み取るICカードリーダーが事前に必要になるので準備しましょう。
またID・パスワードの場合は事前に税務署で署員に本人確認をしてもらってから発行されますので、電子申告の前に余裕を持って準備する必要があります。
またID・パスワードが記載された書類を紛失しないよう併せて注意しましょう。
e-Taxでの電子申告についてのまとめ
・e-Taxでは副業収入の確定申告に必要な書類一式の作成が可能
・自宅で作成から申告までスムーズに完了できる
・必要物などの事前準備を申告の前に行う必要がある
・確定申告ツールと併せての申告も可能で、スマホで完結することも可能
今回は、電子申告に挑戦する副業初心者の方に向けて、e-Taxで電子申告する具体的な手順やスマホを利用した電子申告の方法について解説しました。
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