2018.09.14
どこからが副業?投資・フリマ・ポイ活・ブログなど、副業にあたるもの・あたらないものをケース別に解説
「会社で副業が禁止されているけれど、株式投資やフリマアプリでの販売も副業になるの?」「ポイ活やブログの広告収入はどうなる?」。副業のルールを確認しようとして、どこからが副業なのか分からなくなる方は多いのではないでしょうか。
結論からいうと、「副業」の範囲は法律で一律に決まっているわけではなく、勤務先の就業規則でどう定めているかによって決まります。一般的には、継続して収入を得るために働いたり事業をしたりすることは副業にあたりやすく、資産運用や自分の不用品の売却は副業にあたりにくいとされています。ただし、最終的な判断は会社によって違います。
この記事では、ケース別に副業にあたりやすいもの・あたりにくいものを整理し、就業規則の「副業」と税金の「所得」の違い、判断に迷ったときの確認のしかたを解説します。
この記事の要点
どこからが副業かは、法律ではなく、勤務先の就業規則の定め方で決まります。会社によって範囲が違います。
一般的に、ほかの会社で働く、仕事を請け負う、継続して物を売る、自分で事業をするといったことは副業にあたりやすく、株式投資や自分の不用品の売却は副業にあたりにくいとされています。
就業規則で副業にあたるかどうかと、税金で確定申告が必要かどうかは、別の問題です。副業にあたらなくても、申告が必要なことがあります。
迷ったら、自己判断せずに就業規則を確認し、人事担当に相談しましょう。副業は隠すものではなく、確認して始めるものです。
「副業」の範囲は、法律ではなく就業規則で決まる
「副業」という言葉に、法律上の決まった定義はありません。会社員の場合、どこまでを副業として届出や許可の対象にするかは、それぞれの会社の就業規則で決められています。
厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、労働者が勤務時間外をどう使うかは基本的に自由であり、会社が副業を制限できるのは、次のような場合に限られるという考え方が示されています。厚生労働省のモデル就業規則も、勤務時間外にほかの会社などの業務に従事できることを前提に、事前の届出と、次の場合に制限できることを定める形になっています。
労務の提供に支障がある場合
業務上の秘密が漏れる場合
競業によって会社の利益が害される場合
会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を壊す行為がある場合
会社がどこまで副業を制限できるかについては、副業禁止は違法?会社が副業を制限できる4つのケースで詳しく解説しています。
ケース別:副業にあたりやすいもの・あたりにくいもの
多くの会社の就業規則に当てはめたときの一般的な傾向を整理すると、次のようになります。あくまで目安なので、実際の扱いは勤務先の就業規則で確認してください。
ケース
就業規則上の副業(一般的な傾向)
税金での主な所得の区分
ほかの会社でアルバイト・パートとして働く
あたる
給与所得
クラウドソーシングなどで仕事を請け負う(ライティング、デザインなど)
あたる
雑所得または事業所得
フードデリバリーの配達など、スキマ時間の請負
あたる
雑所得または事業所得
商品を仕入れて継続的に販売する(物販・転売)
あたる
雑所得または事業所得
ハンドメイド作品を継続的に販売する
あたる
雑所得または事業所得
ブログ・SNS・動画の広告収入、アフィリエイト
あたるとされることが多い(会社による)
雑所得または事業所得
家業の手伝い
報酬を受け取るならあたることが多い(会社による)
給与所得など
民泊・不動産の賃貸
規模によって扱いが分かれる(会社による)
不動産所得・雑所得など
株式・投資信託・NISAなどの資産運用
あたりにくい
譲渡所得・配当所得など
自分の不用品をフリマアプリで売る
あたりにくい
生活用品の売却は原則非課税(1点30万円を超える貴金属・美術品などは課税)
ポイ活(買い物やキャンペーンのポイント)
あたりにくい
値引きとして扱われるもの、一時所得になるものなど
報酬を受け取らないボランティア
あたりにくい
所得なし
※就業規則上の扱いは会社によって異なります。税金の所得の区分は、取り組み方や規模によって変わることがあります。
副業にあたりやすいのは「継続して収入を得るための働きや事業」
ほかの会社で雇われて働く、仕事を請け負う、商品を仕入れて売り続ける、自分で事業をする、といったことは、本業の時間や体力に影響しやすく、多くの会社で副業として扱われます。少額でも、継続して収入を得る仕組みになっていれば、副業にあたると考えておくのが無難です。
副業にあたりにくいのは「資産運用」と「自分の持ち物の売却」
株式や投資信託などの資産運用は、多くの会社で副業として扱われていません。家にある不用品をフリマアプリで売ることも、一般的には副業とはみなされません。ただし、不用品の販売をきっかけに、商品を仕入れて売るようになれば、それは物販という副業です。また、資産運用でも、勤務時間中に取引をしたり、職務で知った情報を使って取引をしたりすることは許されません。投資の扱いは投資は副業になる?就業規則での扱いで詳しく解説しています。
グレーなものは、規模と継続性で判断が分かれる
ブログやSNSの広告収入、家業の手伝い、不動産の賃貸などは、会社によって扱いが分かれます。収入の規模が大きい、継続している、作業に時間がかかる、本業と関係する、といった場合は、副業として届出が必要とされることが多くなります。
就業規則の「副業」と、税金の「所得」は別の話
よくある誤解が、「副業にあたらないなら、確定申告もいらない」というものです。就業規則で副業にあたるかどうかと、税金で申告が必要かどうかは、別の問題です。
就業規則の副業:会社への届出や許可が必要かどうかの問題
税金の所得:確定申告や住民税の申告が必要かどうかの問題
たとえば、株式投資は多くの会社で副業にあたりませんが、利益が出れば税金がかかります(特定口座の源泉徴収ありなら、原則として確定申告は不要です)。会社員の場合、給与以外の所得(収入から経費を引いた金額)が年20万円を超えると確定申告が必要で、20万円以下でも住民税の申告は別に必要です。詳しくは副業の確定申告のやり方をご覧ください。
判断に迷ったら:確認と相談の進め方
「これは副業にあたるのかな」と迷ったときは、自己判断で始めずに、次の順で確認しましょう。副業は、もう隠れてするものではなくなってきています。ルールを確認して堂々と取り組むほうが、本業との関係も良好に保てます。
就業規則を読む:副業・兼業の項目に、「副業」の範囲(「他の会社等の業務に従事する」「自ら事業を営む」など)と、届出制か許可制かが書かれています
人事担当に相談する:書かれていないケースや判断に迷うケースは、人事・総務の担当者に「こういうことを考えているが、届出は必要か」と確認します
内容を具体的に伝える:何をするか、週に何時間くらいか、収入の見込み、本業と競合しないこと、本業の情報を使わないことを説明できるようにしておきます
必要なら届け出てから始める:届出や許可のやり取りは、記録が残る形にしておくと安心です
契約社員・派遣社員の方は契約社員・派遣社員の副業、公務員の方は公務員の副業のルールもあわせてご覧ください。公務員は法律で兼業が制限されているため、会社員とは扱いが異なります。
よくある質問
Q. どこからが副業になりますか?
A. 法律で一律に決まっているわけではなく、勤務先の就業規則の定め方で決まります。一般的には、ほかの会社で働く、仕事を請け負う、継続して物を売る、自分で事業をするといったことは副業にあたりやすく、資産運用や自分の不用品の売却は副業にあたりにくいとされています。
Q. 株式投資やNISAは副業になりますか?
A. 多くの会社で、株式や投資信託などの資産運用は副業として扱われていません。ただし、最終的には就業規則しだいです。勤務時間中の取引や、職務で知った情報を使った取引は許されません。
Q. フリマアプリで不用品を売るのは副業ですか?
A. 自分の不用品を売ることは、一般的には副業にあたりません。税金も、生活用品の売却は原則として非課税です。ただし、売るために商品を仕入れるようになれば物販という副業になり、中古品を仕入れて売るなら古物商許可も必要です。
Q. ポイ活は副業にあたりますか?
A. 買い物でポイントを貯めることなどは、一般的には副業にあたりません。ただし、アンケートなどの作業の報酬としてポイントを受け取る場合や、キャンペーンで大きなポイントを受け取る場合は、税金の申告が必要になることがあります。
Q. ブログやSNSの広告収入は副業ですか?
A. 継続して収入を得ているなら、副業にあたるとする会社が多いです。収入が少なくても、届出の対象かどうかを就業規則で確認しましょう。会社の情報や、勤務先が分かる内容を発信しないことも大切です。
Q. 家業の手伝いは副業になりますか?
A. 報酬を受け取らない手伝いなら、副業にあたらないことが多いです。報酬を受け取る場合や、継続して働く場合は、副業として届出が必要とする会社もあるので、就業規則を確認してください。
Q. 副業にあたらなければ、確定申告はいりませんか?
A. いいえ、別の問題です。就業規則で副業にあたるかどうかと、税金の申告が必要かどうかは関係ありません。会社員の場合、給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要で、20万円以下でも住民税の申告は別に必要です。
Q. 副業かどうか分からないときは、どうすればいいですか?
A. 就業規則の副業・兼業の項目を確認し、それでも分からなければ人事担当に相談しましょう。何をするか、時間、収入の見込み、本業と競合しないことを伝えると、判断してもらいやすくなります。
Q. 副業禁止の会社で、副業にあたらないことなら自由にしていいですか?
A. 就業規則の副業にあたらない活動でも、勤務時間中に行う、会社の情報を使う、会社の信用を傷つける、といったことは別のルールで禁止されています。迷うものは、人事担当に確認してから始めるのが安心です。
※この記事は、執筆時点の公開情報をもとに一般的な内容を解説したものです。副業の範囲や扱いは会社の就業規則によって異なります。税金の扱いは個別の事情によって変わるため、税務署や税理士にご確認ください。副業の収入は取り組む内容などによって大きく異なり、収入を保証するものではありません。
まとめ
どこからが副業かは、法律ではなく、勤務先の就業規則で決まります。一般的には、ほかの会社で働く、仕事を請け負う、継続して物を売る、自分で事業をするといったことは副業にあたりやすく、資産運用や自分の不用品の売却は副業にあたりにくいとされています。
就業規則の副業と、税金の申告は別の問題なので、どちらも確認しておきましょう。迷ったときは、自己判断せずに就業規則を読み、人事担当に相談して、ルールに沿って堂々と始めることが大切です。
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