副業の株式投資で良い銘柄を選ぶには?投資信託との違いや指標の見方まで解説

最終更新日:2023年9月21日

副業投資で本業の忙しい合間にも将来への資産形成を考えても、どのように銘柄を選べば良いか分からないといったハードルがあります。

適した銘柄を選ぶためには、さまざまな知識を身に付ける必要があるものの膨大なため何から学ぶべきかも分からないかもしれません。こうした、投資初心者のハードルには以下のようなことが挙げられます。

・膨大な銘柄を絞り込む条件が分からない

・絞り込んでも成長していく企業なのか分からない

・銘柄をいくらで購入すれば利益が出るか分からない

そこで今回は、上述に挙げたハードルに沿って副業の株式投資で銘柄を選ぶ方法についてを解説します。



株式投資を始める前には、銘柄の選び方だけでなく他にも知っておくべきこともあります。詳しくは「サラリーマンが副業で株式投資を始める前に知っておくべきこととは?」で解説していますので、あとで目を通してみてください。

 

副業の株式投資で得られるものとは?

株式投資で銘柄を選ぶ際には、何を得ることを重視するのかを決めておきましょう。具体的には、以下が株式投資によって得られるものです。

・売却益(キャピタルゲイン)

・株主優待

・配当金(インカムゲイン)

それぞれについてを狙った銘柄選びについてを解説します。

 

○売却益を狙った銘柄の選び方

売却益(キャピタルゲイン)とは、保有していた株式を譲渡(売却)した際に発生した利益のことを指します。

例えば、100万円分の株式を購入してから200万円で売却した場合は差額となる100万円が利益とみなされます。

売却益を狙う場合には、本来の価値よりも「割安」になっている企業の株式か、将来「成長」が期待できる企業の株式を購入して、株価上昇後に売却して利益を出せる「割安株」や「成長株」を見つける必要があります。

成長株・割安株への投資は、本業で生活には困らないなど、リスクを取って少しでも多く増やしたい場合に向いています。それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

●割安株(バリュー株)

割安かどうかを判断するためには、バリュエーションと呼ばれる株価を評価する知識が必要です。

割安になっている場合には、単に投資家が見込みの低さから離れてしまって安いという場合もあるため企業の分析を行って判断するのは必ず必要です。

 

●成長株(グロース株)

将来の成長が期待できるかを判断するためには、企業の今までの業績やビジネスモデルの理解が必要です。

将来は予測不可能なことが前提ですが、リターンを増やしたい場合には成長株を狙うのが良いでしょう。

 

○株主優待を狙った銘柄の選び方

株式投資で得られるものはお金だけではありません。株主優待によって、企業から優遇されたサービスを受けることもできます。株主優待とは、自社の株式を保有する株主へ、自社製品や商品券などをプレゼントするサービスです。

例えば、店舗で商品が安く買えたり、何かを無料で貰えたりなどがあります。よく利用する企業の株主優待であれば、家計の支出を減らすことに繋がるため利用予定の企業をチェックするのも良いでしょう。

該当する企業のサービスや商品を利用している、利用する予定があってお得に使いたいという場合に向いています。

 

○配当金を狙った銘柄の選び方

配当金(インカムゲイン)とは、会社の利益の一部を株主に還元するものです。配当を出す企業は、一般的に決算後に年1〜2回の頻度で出します。ただし、会社の収益や財務の状況が悪ければ配当が出ないこともあるなど、割合は変化します。

配当がどの割合で出されるかは、配当性向を見ることで分かります。配当性向とは、会社が純利益のうち何パーセントを配当金の支払いに充てているのかを示す指標です。

ただし、配当を減らして事業に投資をすることで業績アップを狙う企業もあるため、配当性向が低くても長期的には成長して売却益を狙える可能性もあります。そのため、柔軟に判断していくことが大切です。

配当金を狙う場合は、配当性向や配当利回りを確認します。配当利回り3〜5%も少なくありませんが、総合課税となるため売却益を狙う場合よりも税金面で不利になりやすくなります。

損失リスクは最小限に抑えたいが、銀行預金よりは増やしたいという堅実な運用をしたい場合に向いています。

 

会社員の副業には長期投資が適している理由

◯本業で時間が取りづらい

会社員は本業が忙しく、銘柄を毎日細かく調べる時間は取りづらいはずです。そのため、長期的な視点で株価が上昇していく有望株を見つけ出し、毎月一定の金額を積み立てるように買い増していく投資方法が適しています。

こうした長期的な株式投資は、時間を味方につけることで大きなリターンを得ることができます。そのため、早く始めるに越したことはありませんが、何も知識を身につけないまま始めてしまえば損失リスクが上がるだけです。

また、定年後には会社員の強みである「ローンの組みやすさ」がなくなるため、不動産投資という選択が難しくなります。

 

◯長期投資に取り組む人が多い

短期投資という選択も、柔軟に時間が確保できるのであれば取り組めますが、副業で取り組むには困難なケースが多くなります。

さらに、2022年1月に公開された「個人投資家の証券投資に関する意識調査」によると、「長期保有である程度の値上がり益があれば売却する」という回答が半数以上(50.5%)に対して、「短期間に売却する」という回答は11.4%という結果も出ています。

これは、トレードや短期投資は値動きの激しい銘柄を選ぶことが多く、リスクが大きいため安定して勝ち続けることが困難だからではないでしょうか。

このことからも、トレードや短期投資は卓越した知識・経験があったり、少額の運用でハイリターンを一時的に狙ったり、余裕資金がなくなっても良い感覚で取り組むくらいの気持ちが必要ではないでしょうか。

出典:個人投資家の証券投資に関する意識調査(2022年1月) - 日本証券業協会

 

長期投資と短期投資の違い

長期投資と短期投資の違いは、企業の業績が大きく影響するかどうかです。

短期投資であれば、企業の業績は大きく影響しません。チャートによる受給バランスや投資家の心理を読んで売買を有利に進めることが大切になるためです。

長期投資の場合は、企業が成長していくことで株価が買った時よりも上昇することが重要です。そのため、企業の業績をチェックして割安なのか割高なのかを見極めて適切なタイミングで売買する必要があります。

 

短期の株式投資にチャレンジしてみたい方は「副アカの負けない株式トレード」でノウハウを公開していますので、合わせてご覧ください。

 

関連記事:初心者でも負けにくい株式トレードとは?副業投資家が損失を最小限に抑えて勝ちやすくする方法を解説

 

投資信託(ETF)と株式投資(個別銘柄)の違い

株式投資は、株価が上がることもあれば下がることもあります。つまり、株価が下がって損失が出てもカバーできる状態にすることは、長く投資を続けていくために重要なポイントです。

こうしたリスクのコントロールをプロに任せられる投資信託やETFは、知識が浅いうちでも始められる魅力があります。

他にも具体的な違いをそれぞれの点から解説していきます。

 

◆運用費用

投資信託はプロに運用を任せられるため、十分な知識のない初心者でも始めやすい点が魅力です。その代わりに、運用費用がかかります。自身で銘柄を選ぶことで、こうした運用費用を抑えられます。

 

◆銘柄選定

個別銘柄への株式投資は、投資信託と異なりリスクのコントロールを自身で行い、投資を続けるか売却するかの判断をしなくてはなりません。投資信託はプロが銘柄を選定し、複数の銘柄へ資金を分散してリスクコントロールを行ってくれます。

 

◆リターン

投資信託は、リスクをカバーするために各銘柄に数%ずつという少ない割合で分散投資を行なっていくのが一般的です。そのため、リスクが少ない代わりに得られるリターンも少なくなります。

例えば、株式投資(個別銘柄)で収支がマイナスになる原因には、以下のようなことがあります。

 

<株式投資でマイナスになる原因>

・売買を繰り返して手数料が増えてしまう

・手数料の高い金融商品を選んでしまう

・タイミングを間違えて少ない利益で売却してしまう

 

個別株投資は、銘柄選定の手間がありますが成功すれば大きなリターンが得られます。企業を分析し、将来を予測して割安な株を見つけて投資することで大きな投資リターンを得るチャンスがあります。

 

株式投資でマイナス(損失)を出さないためには、リスクを知っておくことが大切です。知っておくべきリスクについては「株式投資で負けない方法とは?〇〇能力を身に付けよう!」で解説していますので、あとで目を通してみてください。

 

副業で長期投資を行うメリット

ここまでに、会社員として本業がある中では長期投資が適していることをお伝えしました。次に、長期投資を行うことのメリットも解説します。具体的には、以下のメリットがあります。

  1. 時間がなくても続けやすい
  2. 売買回数が最小限のため税金・手数料が抑えやすい
  3. 時間を味方につけて勝ちやすい

 

1.時間がなくても続けやすい

短期投資は非常に激戦です。なぜなら、数年で億万長者になる人は多くがこの手法を行っているためです。それほどまでに稼げるということは、それほどまでに大損している人がいるということです。

また、短期投資は銘柄を短時間で分析して素早い売買の判断が求められます。デイトレーダーともなれば、取引時間中は画面から離れることは困難です。

このように、取り組める人が限定的な短期投資とは異なり成長株(グロース株)投資の場合は時間という武器も活用するため会社員のように本業で忙しい場合でも取り組めます。

銘柄の分析も、決算時期などで業績が発表される半年単位でチェックするだけなので勉強して覚えながら株式の選定ができるのです。

成長する企業を見つける力さえ身につければ、あとは粘り強く買い増しして保有し続けられるかが重要なため誰でも勝つ可能性が十分あります。

 

2.売買回数が最小限のため税金・手数料が抑えやすい

成長する企業を見つけて、その株式を購入したら長期間保有するからこそ、無駄な売買をすることがありません。そのため、手数料を最小限に抑えることができます。

また、売却して利益を確定するまでは税金が掛かりません。どれだけ含み益が出ていても税金が掛かるのは利益を確定した年だけです。

これは、複利効果を最大限に活かすことに繋がるため重要なメリットです。利益が出る度に株を売却して利益を確定すると、その度に20%ほどの税金がかかるためです。

一方で、短期投資の場合は複利効果を活かさず手数料も毎回支払って細かく売買を繰り返す代わりに、成功すれば大きくリターンを得られるハイリスクな方法です。

 

3.時間を味方につけて勝ちやすい

上述で、短期投資は常に画面から離れらない代わりに大きなリターンの可能性を秘めていることをお伝えしました。ですが、見方を変えれば相応の時間を取られてしまうということです。

成長株(グロース株)の良い点は、時間を味方につけられる点にあります。長期的に企業が成長し、それに伴って株価が上がっていくのを根気強く待ち続ける間は、知識習得や他のことに時間が使えます。

需給のバランスによって変化する短期投資では、株価が気になって本業どころではないかもしれません。成長株(グロース株)投資にすることで、数年〜数十年単位での変化を考えることで、短期的に株価が変動しても精神的な負担は少ないのではないでしょうか。

会社員のように本業を中心とする場合、長期的な視点で時間的な融通が利きやすいのは最適です。

 

株式投資に必要な金額や少額から始められる投資については「株式投資を始めるにはいくら用意すればいい? 少額投資も紹介」で解説していますので、合わせてご覧ください。

 

長期投資で良い銘柄か判断するコツ

上場企業の株価は、将来のキャッシュフローに基づいた企業価値に収れんしていく傾向があります。ですが、10年以上も先のことは予測不可能です。

だからこそ、何かが起こっても耐えられるのか、順調に業績を伸ばしてきたのか、株主へ還元されているのか、といった情報を活用して期待のできる銘柄か判断することが大切なのです。

そのためには、過去の実績をチェックすることが重要です。市場環境というのは、さまざまな要因で変化します。そのため、将来を予測することよりも過去の実績を分析することに時間をかける方が良いのではないでしょうか。

銘柄を選ぶ上で、特に注目したいのは利益です。特に株主にとって重要なのが当期純利益です。当期純利益は、企業が年間の事業活動によって売上高から必要な経費や税金を差し引いた後の最終的な利益です。

この当期純利益の中から株主へ配当が支払われるため、投資家にとって重要なのがお分かりいただけるはずです。

また、株価の上昇に影響を与える機関投資家の動きは必ずチェックが必要です。それだけでなく、機関投資家が参入するということは一定の水準をクリアしているため、銘柄選定を行う上でひとつの目安となります。

 

  1. 企業の経営者・事業を理解する
  2. 企業の過去業績を知る
  3. 機関投資家の動きに注目する

 

1.企業の経営者・事業を理解する

長期投資は、継続的に利益を計上できるビジネスモデルがある前提となります。なぜなら、利益が計上されることで株主資本が積み上がっていき株価が上昇していくためです。

つまり、市場が下降傾向でも、その企業が生き残れる力があるのかを見極める必要があるということです。

また、副業で株式投資を行うような個人投資家が銘柄を選ぶ際には、機関投資家が多く参入する前の目をつけられていない企業を見つけると、成長した際には大きなリターンが得やすくなります。このためには、業績や持っている製品などを入念に分析することが必要になります。

 

例えば、以下のような観点から企業についてを理解していくことがおすすめです。

・回復見込みのある企業

・大きな成長が期待できる企業

・一般的に価値を認められていない資産を持つ企業

・ニッチ市場の製品を持っている企業

・買収される可能性がある企業

・経営陣が交代する可能性のある企業

・証券会社の間で調査されていない企業

 

ただし、事業は変化していくものです。そのため、業績にコミットしてくれるか、ビジョン達成に向けて動いてくれるかは経営者次第です。長期的な成長が見込めるかは、事業だけでなく経営者を見ることも大切です。

 

2.企業の過去業績を知る

過去の業績は、長期的に成長するかを判断する上で非常に大切です。会社の過去を知る際には以下の期間を参考に業績推移をチェックしてみましょう。合わせてROEも確認するのがおすすめです。

 

・過去10年間くらいの業績推移を確認する

 (長期的に投資するに値するか、生存できる力があるか、競合よりも優れているか)

・ROEを確認する

 (株主資本に対して利益が出せているか)

 

例えば、10年間の平均成長率と直近3年間の成長率・利益率を比較して、悪化しているのかどうかをチェックするなどです。もし、業績が悪化している場合は市場が下降気味なのか、企業の経営が悪いのかで判断が分かれます。

市場が下降気味な中でも、競合他社に比べて業績を伸ばしてきた企業であれば今後に期待しやすいのではないでしょうか。この要因が、ビジネスモデルの強みなのか、経営者の実力なのかまで特定できると良いでしょう。

 

3.機関投資家の動きに注目する

将来の業績予想は、どれだけ業績を読み解けても絶対に予想通りになるわけではありません。株式市場は状況によって目まぐるしく変化します。

また、株価は買いたい人と売りたい人がいて成り立つもののため、人に左右される部分です。つまり、すべてが合理的で計画通りにはなりづらい部分だということです。

そして、機関投資家は個人投資家では得られない多くの情報を持ち、プロフェッショナルたちが本気で時間を使い考えています。これに追いつくことを意識するよりも、選んだ企業が長期的に成長するのかを考え、今の株価と比べて割高なのか割安なのかを判断していく方が現実的ではないでしょうか。

他にも、株価の影響は機関投資家が株式を取得しているかどうかで大きく変動します。それだけでなく、機関投資家が選んだということは一定の基準をクリアしている証明でもあるため有望株の判断材料にもなります。

機関投資家の動きは、出来高の増加によって判断できます。チャートを確認する際は、この点にも目を配ってみてください。

 

買ってはいけない株の種類については「株式投資初心者が注意すべき点を解説!大損しやすい株4」で解説していますので、参考にしてみてください。

 

長期投資で良い銘柄を正しく売買するために必要な知識とは?

長期投資で良い銘柄を正しく売買するためには、「企業が長期的に成長していくかを見極める力」と「株価を評価して売買のタイミングを見極める力」が必要です。

 

具体的には、以下の知識を身につけることが大切です。

・スクリーニングを理解する

・ファンダメンタル分析を理解する

・バリュエーション分析を理解する

 

●スクリーニングを理解する

スクリーニングとは、数多くある銘柄の中から投資したい銘柄を絞り込むために、条件を設定して精査することです。

数ある企業を1社ずつ細かく見ていては、時間が足りません。詳細な分析は、スクリーニングで候補を絞り込んだ後にする方がスムーズです。そのために、どういった条件でスクリーニングするのかを決めることは非常に重要です。

良い銘柄を選ぶために必要な条件が分かれば、膨大な銘柄の中から理想の銘柄を見つけやすくなります。

 

●ファンダメンタルズ分析を理解する

長期投資を行う上で、企業の業績や今後の成長性を判断する力は必須とも言えます。企業が公開する決算資料などから業績を読み解こうにも、何の知識もなければ簡単ではありません。

スクリーニングによって銘柄の候補を絞り込めたとしても、企業の業績から良し悪しを判断できなければ運頼みになってしまいます。

正しく企業の価値を見るためにはファンダメンタルズ分析を理解する必要があります。ファンダメンタルズ分析とは、株式の本質的な価値(ファンダメンタル・バリュー)を知るための分析手法です。

株価は、市場価値から最終的に本来の企業価値へ収れんするとも言われている、と冒頭でお伝えしました。そのため、企業の財務状況や業績状況を分析することで、企業の価値を調べることが大切なのです。

 

●バリュエーション分析を理解する

良い企業を見つけることが出来ても、株価の判断もできなければなりません。株式投資は安く買って高く売ることが基本です。そのため、本来の価値よりも割安になっている=絶好の購入機会をバリュエーションによって判断できる状態にしておく必要があります。

バリュエーションとは、株価が「割安なのか割高なのか」を知るために株価を評価することです。バリュエーションにもさまざまなやり方があります。バリュエーションを行う際には、将来のリターンを予想することの取り扱いには注意が必要です。自身での予想とバリュエーションによって評価する両方が必要になるのです。

他にも、ポートフォリオを組んで資産配分を考えることで、リスクをコントロールするのも大切ですので株式投資を実践しながら合わせて理解していきましょう。

 

株式の銘柄を選ぶ具体的なステップ

株式の銘柄を選ぶ際の具体的な手順を解説します。

 

  1. 長期投資の銘柄の候補を絞り込む(スクリーニング)
  2. 1社ずつ決算資料を見て分析する(ファンダメンタルズ分析)
  3. 投資候補リストを作成する(ポートフォリオ)
  4. 売買するタイミングを見極める(バリュエーション分析)

 

それぞれに必要な知識は異なるため、覚えることが大変かもしれませんが新たな収入源を確保するためにも銘柄を正しく選べる力を身につけていきましょう。

 

1.長期投資の銘柄候補を絞り込む(スクリーニング)

株式の銘柄候補をスクリーニングで絞り込む方法には、ウィリアム・J・オニールが提唱している長期に渡って成長が期待できる銘柄を選び出す「CAN-SLIM」などの手法があります。

オニールの投資法は、比較的小さな会社のうちから成長しやすそうな株式の銘柄を探し出すことに適しています。そのため、自身の求めるリスク幅によって、スクリーニング条件を模索して調整する必要がある点には注意が必要です。

例えば、ある程度の成長は済んでいるため大化けはしないが今後も成長が期待できる銘柄と、機関投資家も参入を迷うくらいの規模で大化けする期待ができる銘柄ではスクリーニング条件は異なるためです。

ここでは、ひとつの目安として「CAN-SLIM」の条件についてを解説します。

 

C=Current earnings

当期四半期のEPSと売り上げ」を前年同期比で比較をしてみましょう。

 

EPS=25%以上

売り上げ=20%以上

 

上述の水準がひとつの目安ですが、正解は決まっているわけではありませんので色々模索してみてください。

 

A=Annual earnings

年間EPSの増加」を前年同期比で比較してみましょう。

 

年間売上=25%以上

年間EPS=25%以上

 

N=New product or service

新興企業、新製品、新経営陣、新高値」の観点でも情報を集めてみましょう。

こちらで重要になるのは、新しいものであり投資家の期待が高まりそうであるかです。

 

S=Supply and demand

株式の需要と供給」は、出来高が増えているかどうかです。

例えば、高値を記録した時の出来高が1.5倍以上を目安に増加していれば機関投資家が動いている可能性が高くなるためです。

 

L=Leader or laggard

主導銘柄か停滞株か」は、業界トップであるかどうかです。

業界1位であることは長く生き残りやすく成長性が期待できるためです。

 

I=Institutional sponsorship

機関投資家による保有」は、ここまでにも触れましたが株価の上昇に大きく影響を与えるほどの資金が投資されるため重要です。

前述の「S」にもある通り、直近の出来高をよく確認することで判断しましょう。

 

M=Market direction

株式市場の方向」は、トレンドと呼ばれる景気動向が上昇しているのか下降しているのかです。

どれだけ良い銘柄でも市場が下降トレンドの時は、株価が下落しやすくなるためです。特にこれから下降トレンドに入るようなタイミングの銘柄は、改めて検討するようにしましょう。

 

これら7つのスクリーニング項目をすべて満たす銘柄を絞り込むことで成長する可能性のある銘柄を見つけやすくなります。

 

2.企業の業績を知るには決算資料を確認する(ファンダメンタルズ分析)

上場会社は3ヶ月に一度決算を発表します。決算資料を見ることで、その企業がどのような状況かを知ることができます。株式投資で自分の求めている良い銘柄かを判断するときに、決算資料の見方が分からなければ運頼みの投資となってしまいます。

決算資料の中でも「決算報告書」と「決算書」を状況に応じて確認しましょう。

 

<決算報告書で見るべき資料>

1、決算短信

四半期決算ごとに提出されます。直近の決算情報を知る際に確認しましょう。

 

2、有価証券報告書

詳細な決算情報が記載されているため、通年の詳細な決算情報を知る際に確認しましょう。

 

<決算書で見るべき資料>

・貸借対照表

・損益計算書

・キャッシュフロー計算書

 

これらを合わせて「財務三表」と呼ばれています。

 

○貸借対照表

企業活動の歴史が反映された一時点での資産の内訳と資金調達の構成を示した資料です。左側が資産、右側が株主資本と負債という構造になっています。これにより、会社の資産がどのような資金調達で構成されているのかが分かります。

また、この構成によって会社がどのような資本政策を意図しているかも分かります。

株主資本は、過去の当期純利益から配当を差し引いたものが蓄積されてきたものです。つまり、過去の利益の積み重ねと言えます。決算が当期純利益であれば株主資本は増えます。最終赤字となる当期純損失であれば株主資本が減ってしまいます。

 

○損益計算書

損益計算書とは、会社の利益を知ることができる決算書類のことです。収益・費用・利益が記載されている「企業と経営者の一年の成績表」のようなものです。企業が年間の事業活動で、いくらの売上高があり、費用がいくらかかり、利益がいくらになり、税金をいくら支払い、最終的な利益がいくら残ったのかを知るための資料です。

キャッシュフロー計算書と似ていますが、会計上の費用や利益を見るものです。

 

○キャッシュフロー計算書

お金の流れを示した資料です。損益計算書と異なる点は、会計上のフローではなく実際の現金の流れを見る点です。

 

<キャッシュフローの種類>

・営業活動によるキャッシュフロー

本業の営業活動による現金の出入りを表します。

 

・財務活動によるキャッシュフロー

設備投資や有価証券への投資の状況を表しています。

 

・投資活動によるキャッシュフロー

銀行からの融資や社債などの資金状況を表します。

 

例えば、在庫が減り現金が入ればキャッシュフローはプラスになります。在庫が増えるとマイナスとなります。つまり、現金を軸に考えるということです。

そのため、設備投資などをした場合には現金が減るためマイナスとなります。銀行から借入をするような場合には、プラスとなり返済するとマイナスとなります。

 

●決算資料で見るべきポイント

いくつも項目がある決算資料ですが、すべてを完璧に読み解ける必要はありません。株式投資で銘柄を選ぶ際に重要なのは「利益や株主資本」に関する部分です。具体的には以下の数値はチェックしておきましょう。

 

・営業利益の水準

・当期純利益・純損失

・株主資本比率

・ROE(株主資本利益率)

 

特に重要なのが当期純利益です。当期純利益とは、企業が年間の事業活動によって売上高から必要な経費や税金を差し引いた後の最終的な利益です。この当期純利益の中から株主へ配当が支払われるため、利益の金額や利益率の推移は把握しておくと良いでしょう。

当期純利益が黒字であれば、株主資本が積み上がるため企業価値が上がることになります。だからこそ、当期純利益を計上し続けているかが重要なポイントとなるのです。減益であっても、赤字になっていなければ株主資本は積み上がります。そのため、赤字になっていないかをチェックすることは重要です。

 

株を売買すべきタイミングを知る指標(バリュエーション分析)

良い銘柄が分かっても適切な売買のタイミングが分からなければ株式投資は上手くいきません。

株価は業績に連動するため、長期投資においてバリュエーションによる株価の評価は必須です。割安になっているのか、割高になっているのかを知ると、いつ買うべきかの判断が可能です。

今の株価がどのくらいになると割安・割高なのかを判断するためには、いくつかの指標をチェックすることが必要です。

「この指標だけを見れば良い」というものでもなく、人によってさまざまです。そのため、必ず押さえておきたい重要な指標をピックアップして解説します。

 

●バリュエーションに必要となる代表的な指標

PER=株価収益率=株価 ÷ EPS(1株あたり純利益)

PERとは、1株あたりの利益と比べて何倍で株式を購入されているかを見る指標です。PERが低いほど利益に対して株価が割安で、高いほど株価が割高ということです。

本来、企業の経営は余ったキャッシュを投資に回すことで拡大を目指します。ですが、日本企業に多い内部留保=キャッシュを貯め込んでいる場合には、PERが高くなってしまいます。そのため、PERだけで判断せず他の指標と組み合わせることが大切です。

算出方法は複数ありますが、株価を1株あたり純利益であるEPSで割ることにより算出できます。または、「時価総額 ÷ 純利益」でも算出できます。

 

PBR=株価純資産倍率=株価 ÷ BPS(1株あたり純資産)

PBR(株価純資産倍率)とは、1株あたりの純資産と比べて何倍で株式を購入されているかを見る指標です。PBRが1倍に満たなければ割安で、1倍を超えると割高であると考えるのがひとつの目安です。

PBRが1倍ということは、株価とBPS(1株あたり純資産)が等しいということです。

株価を1株あたり純資産であるBPSで割ることにより算出します。または、「時価総額 ÷ 純資産」でも算出できます。

 

EPS=1株当たり純利益=当期純利益 ÷ 発行済株式総数

EPSとは、1株当たりの純利益のことです。EPSが高いほど利益の多い企業ということですが、同じ利益を出す企業でも発行済株式総数が多ければEPSは低くなります。

企業は、一定期間ごとに増資を行い、新規事業の着手や事業拡大を行う必要があります。ですが、的確な計画により行われる増資ではない場合、1株当たりの収益が低下してしまいます。

このような株式は、投資価値という観点からはあまり高く評価されなくなります。

EPSは、純利益を発行済み株式数で割ることにより算出できます。

 

BPS=1株当たり純資産=純資産 ÷ 発行済株式総数

BPSとは、一株当たり純資産のことです。BPSが高いほど純資産が多く、負債が少ないということです。つまり、安定した企業であると判断できます。

一方で、BPSが低いと純資産が少なく、負債が多いということです。これは、安定していない企業であるということです。 

BPSは、純資産を発行済株式総数で割ることにより算出できます。

 

ROE=株主資本利益率=当期純利益 ÷ 株主資本 × 100

ROE(株主資本利益率)とは、株主資本(純資産)に対してどれだけの利益が生み出されたのかを見る指標です。企業が株主資本をいかに効率的に運用して利益を生み出したかが分かります。ROEは、自己資本利益率とも呼ばれます。

ROEは、以下の要素に分解することもできるため、それぞれの要素が改善することでROEの水準を上げていくことができます。

 

ROE=売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ

 

株主の立場から見ると、株主資本利益率が高い会社は「自分が投資したお金を使って効率よく稼いでいる会社」であると見ることができます。逆に、自己資本利益率が低い会社は「経営効率の悪い会社」である判断され、投資家からのお金も集まりにくくなります。

国内の上場企業は2022年6月時点までで、毎年10%前後です。そのため、ROEが10~20%程度であれば優良企業であると判断されます。

 

銘柄を選んで株式を購入する際には、証券口座ごとに取扱銘柄数や手数料の条件などが変わるため注意が必要です。おすすめの証券口座は「株式投資を始めるなら証券口座は〇〇で開設しよう!おすすめ3」で紹介していますので、あとで目を通してみてください。

 

株式投資で良い銘柄の選び方についてのまとめ

長期的な視点での株式投資は、会社員のように本業であまり時間を取れない中でも取り組みやすい魅力があります。それだけでなく、買いのタイミングを間違えても、企業が成長することで長期的に見れば問題になりづらくなります。つまり、長期で見れば負けづらいということです。

しかし、これには注意点もあります。それは、長期的に成長していく株式を選ばなければならないということです。長期だからどれを選んでも負けないわけではありません。

なぜなら、短期的には業績が良くても、変化の激しい現代では生き残れるだけの力を持つ企業でなければ株価が下がり、大きな損失に繋がる場合もあるからです。

だからこそ、長期投資を続けていくためには「投資し続けても問題ないかを判断できる知識」を身につける必要があるのです。ですが、長期的にリターンを得るためには少しでも早く始めておきたいはずです。

知識が不足している中でも何か取り組みたい場合には、投資信託やETFでインデックス投資などから始めてみるのはいかがでしょうか。インデックス投資などの低リスクな投資で慣らしながら、並行して株式の銘柄を自身で選んでいけるように知識習得も進めていくと良いでしょう。

知識を身に付けるためには、独学も大切ですがスクールなどを利用して、効率的に実践的なノウハウを学ぶことが効率的です。講師になるわけではなく、副業の投資で稼ぐ点においては、独学だけで学ぶと情報の偏りが発生してしまうためです。

 

長期視点での株式投資は多くの知識を必要とします。そのため、まずはチャート分析だけでも取り組める株式トレードから始めるのがおすすめです。現役の億トレーダーが実際に使っている手法や考え方を学べる講座に関しては「株式投資講座ページ」をご覧ください。

 

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