在宅副業なら家賃・光熱費は経費になる?会社員の節税テクニックを解説
最終更新日:2023年9月21日
こんにちは、副業アカデミーです。
この記事を読んでいる方の中にはすでに副業を始めている方もいらっしゃると思いますが、本業以外に副業で収入を得ている(副業で得た所得が年間で20万円を超えている)場合、ご自身で確定申告を行わなければなりません。
ここで一つ注意しておきたいのは、サラリーマンが会社から得る「給与」とは異なり、副業で得た収入については「経費」が認められるということです。
特に、自宅で副業を行っている場合、家賃や水道光熱費、通信費なども「経費」として計上できます。
このことを知っておくと、節税対策にも役に立ちます。
では実際、どのようなものが「経費」として認められるのでしょうか?
今回は、副業を行った時に算入できる経費について述べたいと思います。
副業で経費が認められる所得
確定申告をして税金がいくらになるかは、その年の「所得」によって決まります。
一口に「所得」と言っても、それが何によって得た収入なのか、によって細かく分類されています。
所得の種類には
・事業所得
・不動産所得
・利子所得
・配当所得
・給与所得
・雑所得
・譲渡所得
・一時所得
・山林所得
・退職所得
の10種類があり、この中で経費が認められる所得は事業所得、不動産所得、雑所得の3種類になります。
「雑所得」とは原稿料や講演料、公的年金など「他の所得に当てはまらない所得」を指しますが、継続性のない(=事業にあたらない)副業収入の場合は「雑所得」に含まれます。
サラリーマンが空き時間に行う副業で得た収入は、ほとんど「雑所得」に該当しますが、開業届を提出して取り組んでいる副業は「事業所得」となります。
いずれにしても、これらの所得では経費の算入が認められています。
副業で経費が認められない所得
副業をしている人の中には、パートやアルバイトとして企業と雇用契約を結んで働いている人もいるでしょう。
その場合は、サラリーマンと同じく「給与所得」にあたるので、経費の計上は認められません。
経費について
経費とは一体何を指しているのか、その定義と種類について解説します。
経費とは?
「経費」とは何でしょうか?
それは「事業を行なう上で必要な費用」のことです。
たとえば、物販で収入を得ている場合、商品を仕入れるために使ったお金は「経費」。
人を雇ったら、その人件費も「経費」。
店舗を借りていたら、その家賃も「経費」となります。
ただし、副業のために支払った費用であっても、まだ「使っていないもの」については経費として計上できません。
経費の種類
主な経費の種類(科目)については、以下のものがあります。
仕入――商品の購入費用(物販を行う場合など)
給料賃金――給料、賃金、食費や衣服などの現物支給
地代家賃――店舗、工場、倉庫などの敷地の地代や家賃など
旅費交通費――電車、バス、タクシー代、宿泊費
接待交際費――取引先などを接待する飲食代、中元・歳暮の費用
通信費――電話代、切手代など
荷造運賃――販売商品の包装材料費、荷造りのための賃金、運賃
修繕費――店舗、自動車、機械などの修理代
消耗品費――帳簿、文房具、用紙などの消耗品購入費
消耗品費については「取得価額が10万円未満の什器備品の購入費」という取り決めがあります(いわゆる「10万円ルール」というもの)。
経費の減価償却
仮に9万円のパソコンを購入した場合は「消耗品費」として算入できますが、取得金額が10万円以上となると、減価償却資産、つまりその人(または会社)が保有する資産という扱いになります。
この場合、「すぐに使い切ってしまうものではなく、何年間かに渡って事業に使われるもの」として、使い始めたときから期間の経過とともに少しずつ費用にする処理を行います。
たとえば10万円のパソコンを購入し、その耐用年数が5年だった場合、5年間で10万円を償却するという考え方です。
これを「減価償却費」と言います。
これらの経費は、いずれも領収証、レシートなどの証拠書類が必要となります。そして確定申告をした後も、最低5年間は証拠書類を保管しなければならないので注意しましょう。
副業でも家賃・光熱費は経費計上できる?
個人で副業する際の自宅家賃や光熱費の経費計上は、在宅で仕事をするかで可能かどうかが変わってきます。
在宅で仕事をする場合
自宅の一室を使って副業をしている場合などは、副業とプライベートで共用していて「100%ではないが、何割かは仕事で使っている」という曖昧な支出となります。
このような支出を「家事関連費」と言います。
自宅の家賃以外にも電気代、通信費、車のガソリン代なども「家事関連費」となります。
これらは副業で使用している割合を算出した上で、副業分の経費だけを計上することができます。
これを「家事按分」と言います。
副業で使用している金額は「支払い金額×仕事で使っている割合(事業割合)」で求めることができます。
したがって在宅で仕事をする場合は家事按分での経費計上が可能となります。
在宅で仕事をしない場合
在宅で仕事をしない場合は経費計上できません。
あくまでも副業で自宅を使用するケースのみ家賃や光熱費も経費にできるので注意しましょう。
例えば物販で商品を自宅で保管している、ライティングの執筆を自宅の一室で行っているなど副業での使用であれば経費にできる可能性が高いといえます。
家事按分を適用できるものは?いくら経費にできる?
自宅の家賃など家事按分によって経費として計上できるものがあります。
その計算はそれぞれの経費によって方法が異なります。
家賃を家事按分する
家賃は、自宅の総面積の中で仕事場が占める「使用面積」で考えてみます。
たとえば1か月の家賃が10万円として、家全体の面積が100平方メートル、仕事場の総面積が40平方メートルだとしたら、副業で使っているのは、40平方メートル÷100平方メートル=40%。
つまり、家賃100,000円×40%=40,000円が経費になります。
家賃は「使用面積」で考えるのが一番わかりやすく、それ以外で「仕事で使っている割合」を把握するのはなかなか難しいものです。
ただし、きちんと把握できるのであれば「1週間の使用日数」「1週間の使用時間」など別の基準で考えてもよいでしょう。
光熱費を家事按分する
電気・ガスなどの光熱費は、まず「使用時間」で算出します。
たとえば1か月の電気代が10,000円で、副業に使っている時間が25%とすると、10,000円×25%=2,500円になります。
他に「コンセントの数」で算出した場合、家全体のコンセントが10個、副業で使っているのが3個なら、10,000円×30%=3,000円となります。
基本的には副業に使用した時間で計算するようにしましょう。
通信費を家事按分する
インターネット代やスマホ代も光熱費と同じく使用した時間で算出します。
たとえば1か月のインターネット代が5,000円で副業に使っている時間が25%とすると、5,000円×25%=1,250円になります。
副業でどの程度使用したかその割合を証明できれば、使用日数などの計算でも算出できます。
在宅での食費を家事按分する
経費として計上できるのは、副業で発生した費用のみです。
したがって、在宅での食事は交際費と違いプライベートでの費用となり、経費にはみなされません。
書籍・雑誌を家事按分する
書籍・雑誌は1冊ごとで経費として分けます。
副業に関係するものであれば経費にできますし、プライベートの分は計上できません。
書籍であれば全て経費計上できるわけではありませんので注意しましょう。
副業に関連するものは1冊ごとに領収書の保管が必要となります。
消耗品費を家事按分する
文房具や紙などは副業で使用する分は経費として計上できます。
10万円未満のパソコンも消耗品に含まれます。
この場合、1つのパソコンを副業とプライベートの両方で使用している際は、光熱費と同じく使用時間で算出するとよいでしょう。
なお、10万円以上は減価償却費となりますので注意が必要です。
車のガソリン代を家事按分する
車のガソリン代は、まず「走行距離」で算出します。
1リットル20km走る車で、副業で走った距離が60kmだとしたら、ガソリン3リットルを使用しています。ガソリン1リットルが130円なら、130円×3リットル=390円が経費となります。
次に「使用日数」で算出します。
1週間のうち副業に週2回使用している場合、副業に利用した割合は2÷7=28.6%。
1か月のガソリン代が10,000円として、10,000円×28.6%=2,860円が経費となります。
こうした家事按分を計算する際には、「走行距離」「使用日数」など異なる基準がありますが、基本的にはどの数字を基準にしても大丈夫です。
要は、税務署から説明を求められた時に、「自分はどういう考え方で按分しているのか」を客観的、合理的に説明できるのであれば問題ありません。
家事按分で経費計上する場合の注意点
自身で経費計上できると判断しても、税務調査で調査官に具体的な説明ができなければ経費として認められない可能性があります。
具体的な注意点を解説します。
事業所得と主張できる根拠を用意する
家事按分の根拠を用意することで、調査官に対して経費の合理性を示せます。
ですので、根拠となりえる領収書や自宅の間取り図・賃貸借契約書などを揃えておきましょう。
またいつでも説明できるよう、相手先や目的がわかる記録を残すことも必要です。
説明が難しいものや根拠となる資料が準備できない場合は、経費計上しないことも選択肢の1つといえます。
経費として計上した根拠の資料やデータは、確定申告が終わった後も5年間の保管義務があります。
捨てないように保管しましょう。
どのような目的で利用したのか説明できるようにする
根拠を用意するとともに重要なのが、何の目的で利用したか説明できるようにすることです。
調査官が客観的に見て経費と判断できる資料と説明があれば、指摘を受けても正当性を主張できます。
経費の内容を全て自分で把握し、説明できる前提で経費計上するとよいでしょう。
過剰な経費計上は指摘を受ける可能性がある
税金を安くするために、つい経費を多く計上したくなりますが過剰な経費計上は税務署から指摘を受ける可能性があります。
家事按分の割合を意図的に多くしたり、プライベートの使用分を計上しないように注意しましょう。
税務署から不適切な経費と判断されると不足している税金の追加支払いが発生する恐れがあります。
税務調査に入られても問題のないように適正な処理を心がけましょう。
青色申告を利用できる状態にする
青色申告とは確定申告の1つで、帳簿の付け方が複雑などデメリットはあります。
しかし、最大で65万円の所得控除を受けられる大きなメリットがあるので、使わない手はないでしょう。
申告には以下の2つの手続きが必要です。
・開業届の提出
・所得税の青色申告承認申請手続
基本的に開業届は開業から1か月以内に提出、所得税の青色申告承認申請手続は青色申告したい年の3月15日までが提出の期限となっています。
これらの手続きを済ませて青色申告を利用できるようにしましょう。
青色申告での経費計上の手順
まずは科目ごとに費用を集計します。
集計したものを帳簿に付けるのですが、青色申告では複式簿記による帳簿作成が求められます。
簿記の知識がない中で帳簿を付けるのは思った以上に負担がかかるものです。
ましてや副業をやりながらでは、難しい帳簿作成に時間を割きにくいのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、確定申告ソフトの利用です。
簿記を知らなくても科目ごとに入力するだけで帳簿ができあがります。
また会計ソフトによってはクレジットカードや銀行口座をひもづけて、自動で入力も可能です。
Free会計や弥生の確定申告ソフトなど無料で使えるものから選ぶとよいでしょう。
そもそも経費計上が難しいものに注意する
最初から経費への計上が難しいものがあります。
それらを頭に入れた上で経費の算出や家事按分をするようにしましょう。
住宅ローン・スーツ代・生計を一にする家族等への支払い
住宅ローンは家賃と同じく経費にできると思われがちですが経費にはなりません。
またスーツは仮に副業目的で購入したとしても経費では落とせないので注意が必要です。
そして、副業を家族に手伝ってもらい報酬を支払っても同じく経費としては認められづらいので頭に入れておきましょう。
プライベートでのみ利用したもの
経費を家事按分できるのは、副業で発生した費用のみです。
プライベートでのみ使用した費用は当たり前ですが経費計上はできません。
ですので、日頃からプライベートと副業で使用した分を明確に分けて整理し、混ざらないようにしておきましょう。
家事按分での経費計上についてのまとめ
副業の所得が「雑所得」や「事業所得」にあたる場合、「経費」を計上することができ、課税対象となる所得は「収入-経費」で計算されます。
また家賃や通信費など、副業とプライベートで明確に分けられない費用についても「家事按分」で経費に計上することができます。
以上のことを考慮して、上手に節税対策をしていきましょう。
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