2018.10.09
芸能人の副業に多いジャンルとは?飲食店・不動産・投資など、会社員がまねする前に知っておきたい現実と注意点
テレビや雑誌で、芸能人が飲食店や不動産、投資などの「副業」で成功している話を目にすることがあります。「芸能人はどんな副業をしているのだろう」「自分にもまねできるものはあるのだろうか」と気になった方もいるのではないでしょうか。
芸能人の副業には、知名度や人脈、まとまった資金といった、芸能人ならではの強みが生かされていることが少なくありません。この記事では、芸能人の副業に多いジャンルと、その背景にある強みを整理したうえで、会社員が同じジャンルに取り組むときの現実と注意点を解説します。
この記事の要点
芸能人の副業に多いのは、飲食店の経営、不動産投資、株式投資などの投資、店舗・施設の経営、商品のプロデュース、SNS・動画などです。
多くは、知名度・人脈・まとまった資金という、芸能人ならではの強みを生かしています。会社員が同じやり方をそのまままねるのは難しいのが現実です。
報道される成功例は一部で、収入の金額はうわさにすぎないこともあります。うまくいかなかった例は話題になりにくい点にも注意が必要です。
会社員なら、自分の強みを生かし、元手を抑えて小さく始めることが大切です。有名人の名前を使った投資の勧誘にも気をつけましょう。
芸能人に副業やビジネスを持つ人が多い理由
芸能人の中には、本業とは別に飲食店や会社を経営したり、投資をしたりしている人が少なくありません。その背景には、次のような事情があると考えられます。
収入の波が大きい:芸能の仕事は、人気や出演の機会によって収入が大きく変わります。本業の収入が減ったときに備えて、別の収入源を持とうとする人がいます。
知名度を生かせる:名前が知られていること自体が、お店や商品の宣伝になります。オープンしたときに話題になりやすく、集客の面で有利です。
人脈が広い:仕事を通じて知り合った経営者や専門家などから、事業のノウハウや協力を得やすい立場にあります。
まとまった資金がある:収入が多い時期に得た資金を、店舗の開業や不動産の購入などにあてられる場合があります。
引退後の生活への備え:芸能の仕事をずっと続けられるとは限らないため、将来に向けて別の仕事を作っておこうとする人もいます。
こうして見ると、会社員が副業を考える理由と重なる部分もあります。本業だけに頼らず、収入の柱を増やしておきたいという考え方は、芸能人も会社員も同じです。
芸能人の副業に多いジャンル
芸能人の副業としてよく話題になるジャンルを、芸能人ならではの強みと、会社員が取り組む場合の現実に分けて整理しました。
ジャンル
芸能人ならではの強み
会社員が取り組む場合の現実
飲食店の経営
知名度で集客できる、開業資金がある
開業費用が大きく、本業と並行して店を回すのは難しい
不動産投資(アパート・駐車場など)
まとまった資金で物件を買える
多くは借入れが必要。空室や修繕などのリスクがある
株式投資などの投資
余裕資金が多い
少額から始められるが、元本割れのリスクがある
店舗・施設の経営(ジム・スタジオなど)
趣味や経験を生かせる、人脈で人材を集めやすい
設備や人件費がかかり、規模の大きな事業になる
商品・ブランドのプロデュース
名前そのものが商品の価値になる
知名度がない状態では、同じ形は取りにくい
SNS・動画・ブログ
最初からファンがいる
始めやすいが、収入を得られるまでに時間がかかり、稼げる人は多くない
講演・執筆
経験そのものが話題になる
専門知識や実績を積めば、小さな規模から可能
飲食店の経営
芸能人の副業として特によく知られているのが、焼肉店やバー、カフェなどの飲食店の経営です。名前が知られていることで開店時から話題になりやすく、ファンが来店するきっかけにもなります。ただし、実際の店の運営は、店長や従業員に任せているケースも多いと考えられます。
会社員が副業で飲食店を開くのは、ハードルが高いのが現実です。店舗の家賃や内装、設備などの開業費用がかかるうえ、営業許可や食品衛生責任者の設置といった手続きも必要です。本業の勤務時間中に店を回すことはできないため、人を雇えば人件費もかかります。料理が好きで食に関わる副業をしたい場合は、まずは小さく試せる方法から考えるのが現実的です。
不動産投資
アパートやマンション、駐車場などを所有して、家賃や駐車料金の収入を得る方法も、芸能人の副業としてよく取り上げられます。収入が多い時期に物件を買っておき、本業の収入が減ったときの支えにする、という考え方です。
会社員も不動産投資をすることはできますが、多くの場合はローンを組んで物件を買うことになり、まとまった借入れが必要です。空室が続けば家賃収入が入らず、ローンの返済だけが残ります。建物の修繕や、金利の上昇、売りたいときに売れないといったリスクもあります。「必ずもうかる」「空室の心配はない」といった勧誘には注意し、契約する前に収支を自分で確かめましょう。
なお、公務員の場合は、不動産の賃貸が一定の規模(5棟10室以上など)になると許可が必要です。詳しくは投資は副業になる?で解説しています。
株式投資などの投資
株式投資やFXなどの投資をしていることを公表している芸能人もいます。投資は店舗のように人を雇ったり、場所を借りたりする必要がないため、忙しい人でも取り組みやすい面があります。
会社員でも、投資は少額から始めることができます。少額から長く続ける場合は、利益が非課税になるNISAの制度を使う方法もあります。ただし、投資には元本割れのリスクがあり、報道されるような大きな利益が出るとは限りません。短い期間で売買をくり返す取引は、相場を見る時間が必要で、損失が大きくなることもあります。生活に必要なお金ではなく、余裕資金で取り組みましょう。
投資の始め方は投資は副業にあたる?、株式投資については会社員が副業で株式投資を始める前に知っておきたいことで解説しています。
店舗・施設の経営
スポーツジムや音楽スタジオ、ライブハウスなど、自分の趣味や経験に関わる施設を経営する芸能人もいます。本業で培った経験や人脈を生かせるのが強みです。
一方で、施設の経営は設備への投資や人件費がかかる、規模の大きな事業です。会社員が副業として同じことをするのは難しいですが、「自分の好きなことや経験を仕事にする」という考え方は参考になります。たとえば、趣味のスポーツや楽器を教える、得意なことをいかしたサービスを小さく提供するといった形なら、元手を抑えて始められます。
商品・ブランドのプロデュース
アパレルや化粧品、食品などの商品をプロデュースしたり、自分のブランドを立ち上げたりする芸能人もいます。この場合、芸能人の名前やイメージそのものが商品の価値になっています。
知名度がない会社員が同じ形で商品を売るのは難しいですが、商品を仕入れて売る物販や、ハンドメイドの作品を販売するといった方法なら、小さな規模から始めることができます。
SNS・動画・ブログ
YouTubeやSNS、ブログで発信し、広告収入や企業からの依頼で収入を得る芸能人も増えています。芸能人の場合は、始めた時点ですでにファンがいるため、見てもらえる人の数を集めやすいという強みがあります。
会社員でも、スマホやパソコンがあればすぐに始められます。ただし、知名度のない状態から始めると、収入を得られるようになるまでには時間がかかり、実際に稼げている人は多くありません。企業から依頼を受けて宣伝する投稿には、「広告」「PR」などの表示も必要です。始める前の現実は副業でYouTubeは稼げる?やインスタ副業は稼げる?で解説しています。
芸能人の副業の話を見るときに気をつけたいこと
芸能人の副業の成功談は、副業を始めるきっかけとして刺激になります。ただし、次の点は頭に入れておきましょう。
報道される収入や資産は、うわさのこともある
「年商◯億円」「資産◯億円」といった金額は、本人が公表したものではなく、うわさや推測で伝えられていることもあります。また、売上(年商)と、経費を引いたあとに手元に残る利益は大きく違います。金額の大きさだけを見て判断しないようにしましょう。
成功例だけが話題になりやすい
うまくいった副業は話題になりますが、閉店した店や、損をした投資はあまり報道されません。目に入るのは成功した例ばかりなので、「芸能人の副業はうまくいくものだ」と思い込みやすくなります。実際には、どんな事業や投資にもリスクがあり、知名度があってもうまくいかないことはあります。
同じ条件で始められるわけではない
芸能人の副業の多くは、知名度、人脈、まとまった資金という前提があって成り立っています。会社員が同じジャンルに同じやり方で取り組んでも、同じ結果になるとは限りません。成功談から学ぶなら、「何をしたか」よりも、「自分の強みをどう生かしたか」「本業の収入が減ったときにどう備えたか」という考え方に目を向けると参考になります。
有名人の名前を使った投資の勧誘に注意する
SNSやネット広告では、有名人の名前や写真を無断で使い、「この方法で資産が増えた」などと投資に誘う詐欺が問題になっています。警察庁によると、2025年のSNS型投資・ロマンス詐欺の被害は1万5,168件、約1,834億円にのぼります。有名人が登場する広告やメッセージから、LINEのグループなどに誘導され、お金を振り込ませる手口が多く見られます。
有名人が個人的に投資を勧めてくることは、まずありません。「有名人が教える」「必ずもうかる」といった誘いには応じず、少しでも不安を感じたら、警察の相談窓口(#9110)や消費者ホットライン(188)に相談しましょう。手口と見分け方は副業詐欺の手口と見分け方で解説しています。
会社員が芸能人の副業から学べること
芸能人と同じ形の副業をまねするのは難しくても、考え方には会社員にも生かせることがあります。
自分の強みを生かす:芸能人が知名度を生かすように、会社員にも、本業で身につけた知識やスキル、趣味や経験といった強みがあります。まずは自分の強みを書き出してみましょう。
本業の収入だけに頼らない:収入の柱を複数持っておくことは、本業の状況が変わったときの備えになります。
元手を抑えて小さく始める:会社員の副業は、いきなり大きなお金をかけるのではなく、失っても生活に影響しない範囲から始め、手応えを見て広げていくのが基本です。
専門家の力を借りる:芸能人が経営を専門家に任せることがあるように、分からないことは一人で抱え込まず、税務署や専門家、信頼できる学びの場を活用しましょう。
副業を始めるときは、勤務先の就業規則も確認しておきましょう。会社員の場合、副業の所得が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。自分に合う副業の選び方は副業の選び方、初期費用やリスクで副業を比べたい方は会社員が在宅でできる副業12選をご覧ください。小さく事業を始めたい方はプチ起業とは?も参考になります。
よくある質問
Q. 芸能人の副業にはどんなものが多いですか?
A. よく知られているのは、焼肉店やバーなどの飲食店の経営、アパートや駐車場などの不動産投資、株式投資などの投資、スポーツジムやスタジオなどの施設の経営、商品やブランドのプロデュース、YouTubeやSNSでの発信などです。知名度や人脈、まとまった資金といった芸能人ならではの強みを生かしたものが多く見られます。
Q. 芸能人が副業をするのはなぜですか?
A. 芸能の仕事は人気や出演の機会によって収入が大きく変わるため、本業の収入が減ったときに備えて別の収入源を持とうとする人がいます。また、知名度が宣伝になる、人脈からノウハウや協力を得やすい、引退後の生活に備えたいといった理由も考えられます。
Q. 芸能人と同じ副業を会社員がしても成功できますか?
A. 同じ結果になるとは限りません。芸能人の副業の多くは、知名度、人脈、まとまった資金を前提に成り立っています。会社員が同じジャンルに取り組む場合は、元手やリスクを抑えた方法を選び、自分の強みを生かせる形で小さく始めることが大切です。
Q. 会社員が副業で飲食店を開くことはできますか?
A. 勤務先の就業規則で認められていれば可能ですが、ハードルは高いのが現実です。店舗の家賃や設備などの開業費用がかかるうえ、営業許可や食品衛生責任者の設置といった手続きも必要です。本業の勤務時間中は店に立てないため、人を雇う場合は人件費もかかります。
Q. 会社員でも不動産投資はできますか?
A. できますが、多くの場合はローンを組むため、まとまった借入れが必要です。空室が続くと家賃収入が入らずにローンの返済だけが残るほか、修繕費や金利の上昇などのリスクもあります。契約する前に収支を自分で確かめ、「必ずもうかる」といった勧誘には注意しましょう。公務員の場合は、一定の規模を超えると許可が必要です。
Q. 芸能人の副業の収入として報道される金額は本当ですか?
A. 本人が公表したものではなく、うわさや推測で伝えられている金額もあります。また、「年商」は売上のことで、経費を引いたあとに残る利益とは大きく違います。成功した例ほど話題になりやすく、うまくいかなかった例は報道されにくい点にも注意しましょう。
Q. 有名人が勧める投資の広告やメッセージは信用できますか?
A. 注意が必要です。有名人の名前や写真を無断で使い、LINEのグループなどに誘導してお金を振り込ませる投資詐欺が問題になっています。有名人が個人的に投資を勧めてくることは、まずありません。不安を感じたら、警察の相談窓口(#9110)や消費者ホットライン(188)に相談しましょう。
Q. 会社員が芸能人の副業から学べることはありますか?
A. 自分の強みを生かすこと、本業の収入だけに頼らないこと、という考え方は参考になります。会社員にも、本業で身につけた知識やスキル、趣味や経験といった強みがあります。それを生かせる副業を、元手を抑えて小さく始めてみましょう。
Q. 会社員が副業を始めるときに気をつけることは何ですか?
A. まず、勤務先の就業規則で副業が認められているかを確認しましょう。そのうえで、失っても生活に影響しない範囲の元手から始めることが大切です。副業の所得が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要で、20万円以下でも住民税の申告は必要です。
※この記事は、執筆時点の公開情報をもとに一般的な内容をまとめたもので、特定の人物の活動や収入を紹介するものではなく、収入を保証するものでもありません。投資には元本割れのリスクがあります。制度や手続きは変わることがあるため、最新の情報は公的機関の案内で確認してください。
まとめ
芸能人の副業に多いのは、飲食店の経営、不動産投資、株式投資などの投資、店舗・施設の経営、商品のプロデュース、SNS・動画などです。その多くは、知名度、人脈、まとまった資金という芸能人ならではの強みに支えられています。報道される成功例や収入の金額をそのまま受け取らず、うまくいかなかった例もあることを頭に入れておきましょう。
会社員が参考にしたいのは、同じジャンルをまねることよりも、自分の強みを生かし、本業の収入だけに頼らないという考え方です。就業規則を確認し、元手を抑えて小さく始めることから考えてみてください。
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